邦題は文芸作品っぽいけど、結構「西部劇」してます:映画評「この茫漠たる荒野で」
アメリカでは劇場公開したようですが、日本じゃNetflixでのストリーミング配信。
西部の自然とか、街の様子とかを「引き」の絵で見せてくれるんで、大画面で見たらそれなりの感慨はあったかも。
でもiPhoneの画面でも、十分に楽しめましたよ!
(ちょっと車の追加整備の必要があったので、ディーラーさんでの待ち時間に半分くらい視聴しました)
トム・ハンクス主演だし、ポール・グリーングラス監督だし、この邦題だし…で、純文芸作品(=考えさせられるけど、ちょっと退屈)臭を感じたんですがw、全然そんなことはなくて、「どんぱちアリ」の西部劇でした。
まあ「テーマ」には<フェイクニュース>や、<独裁>に対する批判の視点もあるので、それなりにテーマ性のある作品でもあるんですけどね。
<以下、若干ネタバレを含みます。ご覧になる予定の方は読まないでください。見て損はない映画だと思いますよ>
「フェイクニュースに対して<ファクト>を」という意見もありますが、本作の場合はもう少し深くて、<ストーリー(物語)>の重要性がアピールされます。
「事実に基づくニュース」
しかし重要なのは数多あるニュース/ファクトの中から、「何」を選択し、「どう」語るかにあるのだ、ということでしょう。
その「語り口」に信念があるのがトム・ハンクスが演じる主人公であり、その彼でさえ目を背けていた「ファクト」に立ち向かう勇気を与えてくれるのが、ヒロインの少女になります。
だからラストシーンで主人公が語る「ニュース」が<笑い>に満ちているのが嬉しい。
ほとんどのシーンで暗い表情をしていたヒロインの晴れやかな笑顔が嬉しい。
観る前は、
「しんみりするか、暗い気持ちになるんやろ〜な〜」
と思ってたのに、こんなに気持ちよく見終えることができるとは思っていませんでした。
一番「意外」だったのは、そこかもw。
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