うわ〜、無茶苦茶オモロいやんか:映画評「シカゴ7裁判」
まあ、「法廷もの」って結構な確率で面白いんですけどね。
しかしその点を加味しても、これはかなり面白かったです。
2時間10分。
全然、退屈しませんでした。
観る前は、正直「お勉強モード」もあったんです。
ドキュメンタリーじゃないんで、「私はあなたの二グロではない」ほどじゃないにせよ、
「反戦や人権を巡る歴史を学ぶ」みたいなとこはあるんやろ〜な〜、と。
確かに「学ぶ」ところはある。
でも全然退屈しない!
むしろワクワクすらして観れるという。
それでいて、しっかり「今につながるリベラルの根幹」というものをしっかりと見せてくれます。
ブラックパンサーの党首ボビー・シールを巡るくだりにはしっかりBLMへの流れを。
腹立たしい判事や現政権の自分本位な正義の振りかざしには、昨今のどっかの政権への批判の眼差しを感じることができます。
同時に「上から目線リベラル」に対する批判の視線もここにはあるのかもしれません。
自らの「弱さ」や「打算」を直視し、それを認めることから「共感」と「連帯」が生まれ、そこから立ち上がる「勇気」
アメリカはこういうの好きやね〜。
そしてこういうことを掲げるからこそ、どこかでこの国の人々を信じたいという気持ちも出てくる。
いやぁ、ラスト、熱くなりましたw。
歴史上の「シカゴ7」の流れについて事前知識がなくても全然楽しむことができます。(僕もWikiを読んだくらいの知識しかありませんw)。
それでいて、当時の状況から今へ投射される問題意識を認識させるあたり、かなり出来の良い作品だと思いますよ。
ま、「所有代名詞」の下りは、ちょっと考えないと、ピンと来なかったけどw。
Netflixオリジナルだけど、もともとは劇場公開用に製作され、コロナ禍でネット配信になった作品。
出演陣の豪華さ、その演技合戦も楽しめます。
オススメです!