東洋医学の方剤#1 解表剤
重要な方剤
桂枝湯/麻黄湯/小青竜湯/麻杏甘石湯/升麻葛根湯/参蘇飲/麻黄附子細辛湯
辛温解表剤
・桂枝湯
表寒表虚証に対して,風寒を散じ(桂枝,生姜),営衛を斂摂し(芍薬),営衛を補充し(芍薬,桂枝),全体を調和させる(大棗,甘草)ことで,解肌発汗に働く。
→派生
桂枝加厚朴杏仁湯/桂枝加葛根湯/葛根湯/葛根加半夏湯/桂枝加附子湯/桂枝去芍薬湯/桂枝去芍薬加附子湯/桂麻各半湯/桂枝二麻黄一湯/桂枝二越婢一湯/桂枝加芍薬生姜各一両人参三両新加湯
→附方
桂枝加黄耆湯/桂枝加朮附湯/桂枝加桂湯/葛根加川芎辛夷
・麻黄湯
表寒表実証に対して,麻黄に桂枝を加えることで発汗を強め,杏仁により達邪を補助し,甘草により峻烈な薬効を抑える。これにより発汗で邪を外に駆逐するほか,鎮咳作用ももつ。
→附方
三拗湯/華蓋散/麻黄加朮湯/麻杏薏甘湯
・大青龍湯
・九味羗活湯
→附方
大羗活湯
・加味香蘇散
→附方
香蘇散/香蘇葱豉湯
・葱豉湯
→附方
活人葱豉湯
・小青竜湯
麻黄と桂枝による発汗に対し,芍薬と甘草が営陰の保護をして辛散の過剰を防ぐ。乾姜,麻黄,細辛が水飲を除く。半夏,細辛,五味子は,麻黄の補助として止咳を強める。辛散の細辛と酸収の五味子の配合は,相互の性質がバランスを取るようになっている。全体として,風寒と水飲を同時に解決する。
→附方
小青竜加石膏湯/従竜湯
辛涼解表剤
・銀翹散
→附方
銀翹湯
・桑菊飲
・麻杏甘石湯
辛温の麻黄が平喘に,辛寒の石膏が清肺熱にはたらく,合計すると寒性が強いために涼性に変わり,また辛性が増長する。杏仁は止咳平喘を強め,甘草は諸薬調和にはたらく。
→附方
五虎湯/五虎二陳湯
・越婢湯
→派生
越婢加朮湯/越婢加半夏湯
→附方
加味越婢加半夏湯
・葱豉桔梗湯
・升麻葛根湯
麻疹の透発がないか不十分な時に用いる。升麻が主薬で,解肌透疹や清熱解毒にはたらき,葛根はその作用を強める。芍薬は清熱涼血・活血にはたらき,甘草は諸薬調和にはたらく。
→附方
宣毒発表湯/竹葉柳蒡湯
・柴葛解肌湯
扶正解表剤
・敗毒散
→附方
荊防敗毒散/倉廩散/十味敗毒散
・参蘇飲
全体として扶正達邪(人参,茯苓,甘草,大棗),疏散風寒(蘇葉,葛根,生姜),化痰止咳(半夏,陳皮,枳穀,木香,蘇葉)にはたらく。
・麻黄附子細辛湯
麻黄は解表散寒,附子は助陽散寒の効能により寒邪を駆除する。細辛は麻黄と附子の補助としてはたらく。
→派生
麻黄附子甘草湯
・再造散
・加減蔵蕤湯
・葱白七味飲
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