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書記が数学やるだけ#31 2次方程式の解の公式

いったん前回までで微分積分を終え,次は線形代数を扱うのだが,そのつなぎとして方程式の解について見ていくことにする。本当は「ガロア理論」を目標としたいところだが,かなりの道のりとなるのでここでは4次までの解法を見るのに留めておく。


問題

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公立高校の入試問題よりまさかの証明問題,2次方程式の解の公式は覚えていて使えていても,それを証明できたのはどれくらいだろうか。公式については,ただ覚えるだけではダメで,仮に覚えてなくても一から導出できるようにしておくのが望ましい(もちろん最低限のものは時短のために覚えるべき)。

(2)は一見虚数をみて怯むところあると思うが,ここで解の公式の導出が参考になる。


解法

ただの式変形といえばそれまででああるが,必ず1回は手を動かしておきたい。a≠0である点は注意。

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(2)について虚数係数が含まれていても解の公式は使えるが,√iの処理が必要。

まずは正攻法として,公式を出したのと同じような手順をとって進める。

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複素数の2乗はドモアブルの定理を使うのがスマート。

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解の公式は,虚数係数でも使える。今回のような問題であれば,√iの処理さえできれば別解の候補として悪くない。

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今回用いたアイデアというのは,古代バビロニアですでに知られていたとされ,インドの数学者であるブラフマグプタが628年に明文化したとされる。ここから発展して3次方程式,4次方程式へと増えていくわけだが,その話は次回以降とする。


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