「似顔絵列車」
【絵描きさん】
5歳の時三郷団地の中央商店街に
10分で似顔絵を描いてくれる
プロ絵描きさんが来てくれて
たくさん人が並んでた。
このとき俺は
母親と買い物に来てる時で
この行列にとても興味を持ち
何をしてるのか覗いてみる。
すると男の子が椅子に座り
水彩絵の具を使って
スイスイとその子の似顔絵を
色紙に書いて渡してた。
このスゴ技に俺は
しばらく見入ってしまって
一瞬で似顔絵を描き上げる技術に
心底驚いてしまう。
(◎_◎;)
俺も幼稚園で似顔絵を描いてたが
全然顔が似てなくて
スイスイと描き上げる絵描きさんを
とてもカッコよく感じてしまった!
なので俺もこの絵かきさんに
似顔絵を描いてもらいたくなり
母親にわがまま言って
ワクワクしながらなら並んだ。
(´∀`*)ウフフッ
そして順番が来て
椅子に座って絵を描いてもらい
その手つきや速さを見てると
本当に鮮やかなテクニックだった。
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【似顔絵の特徴】
しばらくして絵が描きあがると
何だかすごくカッコよく描かれてて
自分の顔じゃない気がしてしまい
少し不思議になった。
でも俺の似顔絵なので
快く受け取って喜び
その似顔絵を母親にも見せ
感想を聞いてみた。
すると母親は
1言「似てない」と俺に言いい
やっぱり母親も不満なようで
絵かきさんの技術を不審に感じた。
そして家に到着した俺は
あの絵描きが適当に描いたのか
本気で描いたのか確かめたくなり
自分の顔と比べる事にする。
確かめる為に俺は
母親の化粧鏡を開き自分の顔を見て
その横に似顔絵を並べてみると
うっすらとしか似てなかった。
( *゚ェ゚))フムフム
しかしもっとよく見てみると
目の形や鼻の形や顔の輪郭などは
しっかり描かれて特徴を掴んでて
似てると言えば似てる気がする。
でもたった10分で描き上げた絵に
絵画のような絵を求めるなんて
ちょっと無理があるのが解り
これで納得するしかなかった。
(´・д・`)ショボーン
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【絵の先生】
数日後母親と買い物に行った帰り
いつもの様に母親が公民館の
予定表を確認してると
お絵描き教室が始まるらしい。
( *゚ェ゚))フムフム
それを見た母親が
俺がお絵描き好きな事知ってたから
「お絵描き教室に行ってみる?」と
俺に言ってきてくれた。
なので俺は
「行く!」と返事をして
月額500円のお絵描き教室に
週1で通わせてもらう事になった。
そしてお絵描き教室初日
水彩絵の具セットを持って
「列車の絵を描くぞ!」と意気込み
しばらく待ってると先生が現れる。
その先生は
なんと!あの似顔絵を描いてくれた
あの時の絵描きさんが現れ
俺と母親が「あ!」と声を出した。
アワワワワ(((゚д゚; )))ワワワワッ
すると先生の挨拶の時
「知ってる人もいるようですが
あの時の似顔絵かきの私が
先生を務めます!」と宣言した。
このとき俺は
あの似てない似顔絵を描いた先生に
少し不信感があり「大丈夫かな?」
と心配になってしまった。