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【学ラン裏の刺繍】


13歳の時
「いそ君」と「こごおり君」が
刺繍が入った学生服を着てきた。

いそ君とこごおり君は
不良少年たちで
色々問題を起こしてた。

その子達が着てきた学ランは
裏地に竜と虎の刺繍があり
メタリック色で輝いてる!
∑(゚Д゚)スッ、スゲー!!

俺は
この刺繍を見た途端
その綺麗さに一気に引き込また!

そして俺は
いそ君達に頼んで
学生服を脱いでもらい
まじまじと見行ってしまう。

その刺繍の美しさは
目を見張るものがあり
凄く感動してしまった。
ヾ(*´∀`*)ノ

俺もこの刺繍が欲しくなり
どこで手に入るのか聞くと
意外にも地元の商店街の店で
刺繍をしてくれると言う。

しかし
値段が3万円くらいかかり
とても手が出る金額じゃない。

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【親の謎教育】


俺は
どうやって3万円なんて金額を
用意できたのか聞くと
「親が出してくれた」と言ってた。

この話を聞き俺は
「凄い家庭もあるんだな」
そう感じてしまった。
( *゚ェ゚))フムフム

この頃の俺のお小遣いは
1月たった700円で
ガンプラ買うのがやっとの金額。
|ω・`)ショボーン

なのに不良の証の
学ランの刺繍の為に
よく親がこんな物にお金だすと
ビックリしてしまった。

でもお陰で
凄い物が見れて
とても感動できたけどね。

そして俺が
我を忘れてずっと学ランを見てると
「そろそろ返して欲しいんだけど」
そう言われてしまう。

仕方ないので俺は
学ランを返して
また次の休み時間に頼み
脱いで見させてもらった。

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【長ラン刺繍】


こごおり君といそ君は
そんな俺を見て
「そんなに見たいなら
カタログやるよ」と言ってくれた。

そして貰ったカタログには
色々な柄の刺繍があり
全てメタリック調で凄く綺麗!

しかも学生服には
「短ラン」「中ラン」「長ラン」と
色々な種類がある。
フム((´д`*)フム

その中でも長ランの刺繍が
凄く広い裏地全面に施されて
まさに芸術品だった。

それからずっと俺は
飽きる事無くよだれを垂らし
そのカタログを見続けて
感動しまくっていた。

すると
だんだん超ランの刺繍の実物を
この目で見たくなってしまう。

そこでいそ君とこごおり君に
「長ランの刺繍が見たいから
明日着てきて!」と頼んでみた。
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°

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【カタログ思考】


しかし2人とも
「長ランの刺繍は
値段が高いから持ってないんだ」
そう言われてしまい見れなかった。

何でも長ランに刺繍を入れると
7万円かかるので
さすがにここまでの金額は
親が出してくれないそうだ。

その話を聞いた俺は
あからさまに残念がった顔をして
いじけてしまった。

そんな俺を見た2人が
「そんなに見たいなら
店に行けば展示してあるよ」
そう教えてくれた!

俺は
その話を聞いて嬉しくなり
「ありがとう!是非行ってみる!」
そうお礼をいった。

そして学校が終わった後
早速刺繍をしてくれる店に
足早に向かってみる。
(´∀`*)ウフフ

その店の表向きは
スポーツ用品が売ってるお店で
入口がとても狭い。
(*´Д`*)オヤオヤ

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【本物の刺繍】


そのお店の入り口は
人1人やっと通れる位の道幅で
そこを奥へ進んで行くと
広い売り場に出た。

俺は
何かいかにも怪しいお店な気がして
麻薬とか販売してるんじゃないかと
そんな雰囲気のお店だった。

するとその売り場の奥に
長ランに刺繍がされてる物があり
マネキンに着せられてた!

それを発見した俺は
真っ先にそこに向かい
手に取ってまじまじと見始める。
( *゚Д゚))フムフム

長ランに施された刺繍は
大きなキャンパスに
宝石をちりばめた絵のように見え
すごい迫力だった。

この時奥のレジに店長がいて
俺の事を見てたけど
全然気にならなかった。
ヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪

この店には
不良中学生がたくさん来るから
もう俺の様なガキんちょは
慣れてる様子だ。

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【届かぬ値段】


この頃の俺は
夢中になると何時間でも
ずっと同じ事をしてても
全然飽きない性格だった。

なので30分位ずっと
長ランの刺繍を眺めてて
店長もあきれ顔になってる。

でも俺は
完全に刺繍の美しさに魅了され
この芸術に引き込まれてた。

そしてやっと気が済んだ俺は
ふと長ランの値段を見てみると
75000円と書いてあり
やっぱりとても買えない値段だ。

そしたら
店長に話しかけられ
「カタログあげるから持ってきな」
そう言ってカタログを手渡された。

長ランの刺繍を買えない俺は
カタログで我慢するしかなく
手渡されたカタログが
せめてもの慰めに感じてしまう。

その後店長にお礼を言って
「また来て良いですか?」と聞くと
店長が「いつでもおいで」と言い
その言葉で嬉しくなってしまった。

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ジョー「鏡面反射のデジタルアートブログ」(鈴木穣)
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