「1人の可動橋」
【部屋のあかり】
3歳の時
西川口の家賃15000円の
風呂無し共同トイレの
超ボロアパートに住んでいた。
部屋のあかりは
キッチンに取り付けられた
40Wの白熱灯1個しかなく
夜になると薄暗い。
この頃の我が家は
貧乏でリビング用の照明を買えず
部屋のあかりを
白熱灯1個で済ませてた。
しかも母親が
1個しか無い貴重な白熱灯を
部屋の真ん中に取り付けなくて
キッチンに取り付けてしまった。
なので夜になると部屋が薄暗く
食事のテーブルも
キッチンに寄せて食事してた。
( ´ー`)フゥー...
ある日母親が
船が通る時左右に開く可動橋の
プラモデルを買ってきた。
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
これは
俺用の玩具として
買って来てくれた物だった。
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
【可動橋】
その日の夜俺は
トイレに行く為目を覚ますと
薄暗い部屋の中で母親が
一生懸命可動橋を作ってた。
この時の母親は
プラモデルなんて作った事が無く
薄暗い部屋で説明書を見ながら
たどたどしく組み上げてた。
そして母親のそばに行き
「トイレに行きたい」と言うと
おんぶして連れっててくれた。
(ヽ´ω`)フゥ-3
トイレから戻ると
また母親が夢中に
プラモデルを作り始める。
俺は
一体何を作ってるのか聞くと
「開く橋を作ってるから
完成を楽しみにしてて」と言われた。
そして翌朝
プラモデルが出来たか聞いてみると
「難しくて完成できなかった」
そう答えてた。
この可動橋は
モーターで動かせる本格的な物で
大人が作っても結構難しい。
ε-(・д・`;)フゥ…
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
【動く仕組み】
そして3日後
ようやく橋が完成したようで
早速俺に可動橋を見せてくれた。
ヾ(*´∀`*)ノ
その架道橋は
スイッチを押すと橋が開き
もう1度スイッチを押すと閉じる。
俺は
その架道橋が凄く気に入って
何度もスイッチを連続で押し
ずっと楽しめた。
この時
可動橋が動く事がとても不思議で
あちこち触って何で開くのか
確かめてみた。
でも可動橋を見ても
さっぱり解らず
手で開け閉めしてみる事にした。
( *゚ェ゚))フムフム
しかし可動橋を
手で動かそうとしても
全然動かず謎が解決しない。
そこで俺は
何で動くのか知る為
何回も可動橋のスイッチを押し
永遠に動かし続けてみた。
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
【電池切れ】
そんな事をしていたら
電池切れになってしまったようで
動かなくなってしまう。
しかし俺は
電池切れなんて理解できず
動かなくなったのは
俺が何かしたせいだと思った。
そこで俺は
手で橋を持ち上げ
強引に開こうとしたが
全然動く気配がない。
なので逆に
手で橋を閉じようとして
橋をグイグイ押してしまう。
それでも動かせず
ついでに部品の1部を
外してしまった。
アワワワワ(((゚д゚; )))ワワワワッ
そして俺は
母親に「部品が外れて
橋が動かなくなっちゃった」と
報告してみた。
すると母親は
「何?壊しちゃったの?」と言い
電池切れの事が解ってなかった。
|ω・`)ショボーン
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
【修理】
俺は
母親が可動橋を
修理してくれるものだと思い
しばらく待ってみた。
しかし母親は
可動橋をいつまでたっても
修理してくれない。
(´・ω・`)ショボーン
なので俺の方から
「遊びたいから直して!」と
母親に頼んでみた。
すると母親は
「今度直してあげるから
しばらく待ってて」と言う。
その返事を聞いた俺は
しばらく待ったが直してくれず
「面倒で直してくれないんだ」
そう感じてしまった。
仕方ないので俺は
壊れた可動橋を引っ張り出し
手で動かして
何とか動かそうとしてみる。
でもやっぱり
スイッチを押しても動かず
完全に壊してしたと思った。
(;д;)グスン
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
【修理不能】
ある日俺は
可動橋を父親に見せて
壊れた事を伝えると
「電池切れじゃないか?」と言う。
そこで父親は
そのまま電気屋さんに向かって
電池を買って来てくれた。
そして電池を入れ替え
「やっと可動橋が動き始める!」
と思ったけど何か動きがおかしい。
可動橋の動きは
少し上にがるとそこで痙攣して
そこで止まったまま上がらない。
(*´゚д゚`*)オヤオヤ
それを見た父親が
「こりゃ完全に壊しちゃったな」
そう言ってくる。
この時俺は
「壊しちゃったの自分だ」と解り
可動橋を諦めるしかなかった。
メソメソ…(。pω-。)
でもメソメソしてる俺を見た父親は
翌日「ライディーン」の玩具
ジャンボマシンダーを買ってくれて
跳ね上がり大喜びしてしまった。