「夏の贈り物」
【階段掃除】
8歳の時
団地の階段掃除を
毎週日曜日の朝にやらされた。
この時理由を言わず
強制的にやらされたから
当然嫌々やっていた。
(´・д・`)ヤダ
当時の団地は
5階建ての団地になっていて
5回から1階までの階段を
掃除をしないとならなかった。
最初の時は
凄く真面目に掃除をしていたけど
だんだんそれが面倒くさくなってきた。
そして
回数を重ねるにつれ
かなり雑に掃除をしてしまった。
真面目に掃除をしていると
30分くらいかかってしまい
非常に大変な仕事だった。
でも
雑にやるようになったら
10分で終わらせる事が出来た。
(ΦωΦ)フフフ・・・・
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
【邪推】
掃除が終わったら
そのゴミをちり取りであつめて
家に持って行き捨ててた。
しかし俺は
階段掃除なんてどこの家もやらず
掃除してる事がバカバカしかった。
(# `Д´)
それに
定期的に掃除してくれる人も来て
掃除をしてもらえる。
そして俺は
階段掃除をする理由を邪推してまう。
「きっと階段掃除を子供にやらせて
親が近所の人に対し良く見られたいんだ」
そう感じでしまった。
( `,_・・´)フンッ
しかし
階段掃除を雑にやって汚くても
特に怒られる事が無かった。
その事から多分
階段掃除をやると言う行動をさせ
奉仕の気持ちを
解らせたかったのだろう。
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
【他の子の掃除】
この階段掃除の事を
近所の誰かが褒めてくれれば
俺も凄く嬉しかったけど
一切誰もこの事に触れてくれなかった。
なので
続けていく内に猛烈に嫌になって行き
もうどうでも良くなってきた。
そんなある日
向かいの団地の女子も
階段掃除をしているのが部屋から見えた。
その女子は
階段掃除がとても上手で
凄く綺麗にしてる。
ヾ(⌒(ノ゚∀゚)ノオォォォ♪
しかし掃除が終わり
ちり取りで集めたごみを
なんと!団地の花壇に投げ捨ててた!
思わず驚いた俺は
「マジか!」と声をあげてしまう!
(@ ̄□ ̄@;)!!
そしたら
その声に驚いた父親が俺の所に来て
ちり取りで取ったゴミを
花壇に投げ入れてる女子を見てしまった。
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
【有効活用】
その女子の姿を見た父親は
「お前は絶対あんなことするな!」
そう強く釘を刺されてしまった。
(# ゚Д゚)y-~ヤメトケ
その後
その女子を何度か見かけたが
毎回花壇にゴミを投げ入れてた。
俺は
階段掃除をしても誰からも
全く気づかれず褒めてもらえず
いいがげん嫌になってきた。
そこで俺は
この作業を無駄にしない
名案が思い浮かんだ!
( ゚Д゚)ソウダ‼
その名案は
「この階段掃除を夏休みの宿題の
自由研究にしてしまおう!」
そう思いついた!
そして
「そうすれば自由研究用が
毎回のルーティンで終わる!」
そう思って楽だと確信できた!
そして俺は
夏休み前の自由研究の課題に
「毎週日曜日階段掃除をする」
そう書いて先生に提出した。
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
【課題用紙】
そして
階段掃除の自由研究は
何だかよく解らないけど
許可されたのだった!
でも
先生から階段掃除の記録を
毎回つけるように命じられ
専用の紙を渡されてしまった。
この渡された紙は
掃除した時に落ちてた
1番大きいゴミの記録と
絵を描く場所があった。
俺は
こんなに面倒な物を
毎回記録するなんて嫌だった。
でも
毎回のルーティーンで
自由研究を終わらせると言う
手抜きをするのだから仕方ない。
そして俺は
毎回休まず朝6時に起きて
階段掃除をし続けた。
( ´Д`)=3 フゥ
そんなある日
夏休みの最後の日曜日
俺が掃除してる時
父親が家から出てきた。
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
【天邪鬼】
この時父親に
「どこに行くの?」と聞いてみたら
「ちょっとタバコを買ってくる」
そう言って歩いて行った。
そして俺は
そのまま掃除をし続けていると
なんと!500円札が落ちてる!
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
俺は
当然その500円札を拾って
自分のポケットに入れたが
1つ不思議な事が頭をよぎった。
「もしかして父親が落とした500円?」
そう感じて父親が戻ったら
聞いてみる事にした。
(*´゚д゚`*)オカシイ
父親が戻り
早速この500円の事を聞いてみると
「500円落なんて落としてないぞ」
そう言ってくる。
そして
「拾えてよかったじゃないか
そのままもらっちゃえよ」
と言ってきた。
この返答を聞たとき俺は
「父親が500円をワザと落として
俺にくれたのか?」
「その気持ちがあるなら褒めろよ!」
そう思ってしまった。