科学技術「人生起動電源」

【2つの受容体】

やる気を出すドーパミンを受ける所には
「D1」受容体
「D2」受容体
この2つがあります。

この2つのやる気スイッチは
一体どんな役目をしてるのか
猿を使って解明されました。

この研究をするにあたり
猿に「D1」「D2」受容体を
個別に遮断できる薬を投与しました。

実験方法は
道具を持てば報酬を与え
指定時間じっとしてたら報酬を与える
この2つの動作をさせました。

結果
「D2」受容体だけを遮断したら
面倒くさがりになり
道具を持てば報酬が貰えるのに
出来なくなりました。

しかも
指定時間待てば報酬が貰える動作も
出来なくなってしまいました

しかし
「D1」受容体を遮断した時
驚く事が起こりました。

D1- and D2-like receptors differentially mediate the effects of dopaminergic transmission on cost–benefit evaluation and motivation in monkeys

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【強制精神変化】

「D1」受容体を遮断した猿は
じっとしてられなくなり
指定時間待てなくなりました。

でも
道具を持てば報酬が貰える動作は
普通に出来ました。

この事から
D2受容体を遮断したら
道具を持つ事と指定時間待つ事が
2つともできません。

D1だけ遮断すると
道具を持つ事なら出来ますが
指定時間待つ事が出来なくなりました。

猿にとって報酬とは
人間にとってお金と同じなのに
それを貰える事を拒否してまで
実験した2つの動作が出来なくなりました。

この事から
ドーパミンの
「D1」「D2」受容体を遮断すると
精神状態を強烈に変えてしまう事が
よく解りました。

人の興味に関する気持ちも
このドーパミンが深く関わってる事が
今回の研究で判明しました。

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【2つのスイッチ】

やる気スイッチは
この2種類という事が
今回の研究で判明しました。

この実験を行った研究者は
量子科学技術研究開発機構の
研究チームです。

この研究結果の論文は
「PLOS BIOLOGY」に掲載されました。

今までは
やる気ドーパミン「D1」「D2」受容体は
1つの経路から来て受け取られると
考えられてきました。

しかし今回の研究により
「異なる経路で流れて脳に分泌される」
これが判明した驚くべき事なのです。

どうやら脳内には
労働時間だけでなく
労働内容が報酬に見合うかどうか
質を判断する回路があるようです。

もしこのドーパミンを制御できれば
気分が乗らない時
面倒くさくなる現象を
やる気が出る現象に変えられます。

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【ターボスイッチ】

人間のやる気は
人が生きる動作全てに関わってる
活動の根源です。

得られる報酬に
見合わない仕事であれば
やる気が一気に無くなり
最悪辞めてしまいます。

今までの研究で
「やる気」「報酬」「コスト」の
3つの関係がドーパミンにある事が
とりあえず解ってました。

しかし
何のドーパミンが関係してるかまでは
今まで解らないでいました。

今回の研究で発見された
「D1」「D2」受容体は
「やる気」「コスト」「報酬」の3つを
天秤にかけて判断できるドーパミンです。

コストと言っても様々で
報酬度外視でも出来るやる気もあり
この判断をする為の天秤でもあります。

そしてこのドーパミンは
労力をかけてでも報酬を得ようとする
凄くタフな「やる気スイッチ」も
存在した事が証明されました！