見出し画像

科学技術「未来電池、全個体電池 Pt2」

【高い自由度】

全個体電池は、凄く自由度が高い製造が可能になった。

今までの中身が液体の電池だと電極となる金属の棒の素材に制限があった。

これは金属の棒を液体で酸化させ、電気を発生する仕組みだっからだ。

でも全個体電池なら、金属の棒を酸化させる必要が無い。

その為、個体電池と1番相性が良い金属を使う事が出来る。

そして液体の物より、遥かに電気を発生させる効率を良くする事が出来る。

これが出来れば、スマホや、PCのバッテリー大容量化が可能になる。

更に、今より高速充電も可能にできる。

画像1


【不確定な形】

全個体電池は、液体の電池と違い容器が必要なくなる。

その為、形を自由に変えて電気製品に組み込む事が出来る。

〇や▢や△は勿論、機械の隙間を縫うように複雑な形で組み込む事も可能。

更に、薄く小さくして何層も重ね合わせ、大容量化も出来る。

でも薄くするには、限界があり金属の電極が接触しないまでとなっている。

電極が接触するとショートしてしまう。

今のところ技術的に、0,05㎜~0,02㎜までしか薄くできない。

この薄くする技術はトヨタが開発した物。

電解質の粉に液体とのりを混ぜて、ここまで薄くできる。

画像2


【新開発】

全個体電池には「硫化物系」「酸化物系」の2種類がある。

硫化物系は、ゴムのような素材。

その為、金属の電極としっかり密着させる事が出来る。

しっかり密着させれば、バッテリー性能も格段に上げられる。

そうすれば、大容量、高出力、が実現できる。

しかしデメリットとして、水に触れると可燃する恐れもある。

あくまで液体をゴムの様にした物なので、化学反応が起きやすくなる。

画像3


【安全性】

酸化物系は、個体なので電解質の部分の安定性が極めて高い。

その為、安全性が高く高寿命。

その反面、大出力や大容量化が難しい欠点もある。

それは、電極の密着性が低い為、性能を上げにくい点にある。

酸化物系の使用用途は、スマホやPCと言った小電力機器に向いている。

しかも、外からの熱にも強い為、発火の恐れも無い。

画像4


【選んだもの】

1997年に販売したトヨタのハイブリッド車プリウス。

この車には、ニッケル水素電池を使用していた。

なぜ高性能高出力のリチウムイオン電池を使用しなかったのか?

それは、ニッケル水素の方が安全性を確保しやすかったからだった。

しかも、一定水準の出力も満たせるので、ニッケル水素の方を採用した。

画像5

【テスラの選択】

テスラ社は、高性能なリチウムイオン電池を採用している。

安全性は、工夫次第でしっかり確保できるという判断からだった。

プリウスの様なハイブリッド車なら、高馬力が必要な時エンジンに頼れる。

そして通常走行時は、バッテリーで走行すれば良い。

なのでトヨタは、出力が弱いニッケル水素でも平気だった。

でも、テスラ車の様にすべて電気で走る車だとニッケル水素は出力不足。

その為、性能が良いリチウムイオンを使うしかなかった。

画像6


【2つの思想】

現在の自動車メーカーの電気自動車の開発には、2つの思想がある。

リチウムイオンを使う会社は、工夫次第で安全性を確保できるという考え。

この考えを持つ会社は、積極的に電気自動車を開発している。

逆にリチウムイオンでは、安全を確保するのが難しいと考える会社。

この会社は、電気自動車の開発に消極的だ。

でも全個体電池が開発されれば、安全性も大容量も可能になる。

しかも、さらなる高速充電も出来るようになる。

画像7


【急ピッチ開発】

全個体電池の開発の為に23社の企業が集まった。

これは「産業技術総合開発機構」が呼び掛けて全個体電池を完成させる為。

そして、国から100億円の予算も投入された。

2030年までには、今の全個体電池より遥かに性能が良い物を開発する予定。

現在の性能の3倍、コストを1/3、充電時間を10分、にまでする。

画像8


【明言した開発】

その中でも1番開発に積極的なのがトヨタ。

トヨタは、2019年に完全電気自動車の「COMS」を完成させた。

これは、低出力の1人用自動車。

そしてトヨタは、2020年に全個体電池を使った普通乗用車をお披露目する。

そう明言していた。

画像9


【性能の限界】

今の電気自動車に使われているリチウムイオンでは、性能に限界がある。

どんなに頑張っても、走行距離は500㎞以上上げられないらしい。

でも全個体電池の性能ならば、走行距離を800㎞以上にあげられる。

これは、安全性の低い硫化物系の電池で開発している。

将来的には、安全性の高い酸化物系の個体電池にする予定で開発している。

画像10


【新たな製造方式】

全個体電池の開発には、まだ色々と課題が残されている。

その1つとして、今までのプレス方式で薄くする方法。

プレス方式だと、薄くする限界がある。

そこで開発されたのが、先ほど説明した粉に液体とのりを混ぜる方法。

これは、コーティング方式と言い、もの凄く薄くする事が可能になる。

コーティング方式が出来る様になれば、性能を格段に上げる事が可能。

画像11


【未来への開発】

海外でも、全個体電池の開発が活発化している。

とくにヨーロッパでは、今までのカソリンエンジン廃止の動きが強い。

急いで電気自動車に車の文化をシフトしたがっている。

その為に、国を挙げて交通網をインターネット化している。

日本は、これに対して出遅れている感じが否めない。

もし街中にインターネット網が張り巡らされれば、やっと追いつく。

そうすれば自動運転カーも、より安全に普通に走れる時代になる。

画像12


いいなと思ったら応援しよう!

ジョー「鏡面反射のデジタルアートブログ」(鈴木穣)
サポートしてくれたら 明日食べる もやしを買う事ができます((+_+)) よろしくお願いします( ゚Д゚)

この記事が参加している募集