「夏の最終ラジオ」

【体操の意味】

9歳の時の10月に運動会が開催され
全体で行う入場行進や選手宣誓や
各種競技の定位置のつき方などの
予行練習が行われた

そして選手宣誓の後に準備体操として
ラジオ体操をする事になりこれすらも
みんなで揃えて動くよう練習させられ
先生の厳しい指導が入った

俺は今までラジオ体操をする時は
みんな自分の体の調子でペースを決め
全員でダラダラ体操してたから
形や動く速度なんて合わせた事が無い
ｱﾜﾜﾜﾜ(((ﾟдﾟ; )))ﾜﾜﾜﾜｯ

なので俺は「これだと体をほぐす
本来の目的でなくダンス競技みたいで
ラジオ体操の意味が無い」と感じ
何だか納得いかなかった

しかし先生達が形と動きが合わないと
1人1人に指導して回るから仕方なく
俺もみんなに合わせるようにしたが
納得いかずやる気が起きなかった

しかも指先まできちんと伸ばして
体操の形を綺麗に見せろと言うし
これじゃ体に力が入ってほぐせず
体操の在り方に疑問を感じてしまう

しばらくこの練習を続けてると
生徒に指導する為走り回ってた先生が
足をつってしまい指導周りから離脱し
先生の苦労が解って可哀そうに感じた
(ノД`)・゜・。

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【エンターテイナー】

俺は元々このラジオ体操が嫌いで
こんなへんてこな音楽に合わせて
何で体操しなきゃいけないのか解らず
全然理屈に合わないと感じてた

音楽も体操の形もカッコ悪くて
ストレッチした方が効果がある気がし
ドリフのヒゲダンスの方が全然良く
ナウなヤングにバカ受けすると思った
(＃ ‘д´)､ﾌﾝｶﾞﾌﾝｶﾞ

この事を担任の先生に言ってみると
先生が「国民的な感じを出す為には
エンタメ要素が無い物が必要だから
こんな風に完成したの」と言われる

そして「運動会は体育の授業の様な
個人の体力増強が目的でなく保護者に
見せるエンタメだからあえて揃わせて
ショーにしてるの」と力説された

この事を聞いた俺は「我々子供達は
大人を喜ばせるための道化師なんだ」
そう感じたけどこの時ふと以前先生が
足がつった時の事を思い出した

あの時先生が皆に指導する為走り回り
足をつらせた可哀そうな事件があって
「そこまでするなら道化師として
付き合ってやるか」と思った
┐(´～`)┌ ﾔﾚﾔﾚ

その後俺はラジオ体操を体操と思わず
ダンスだと思い親達に見せるための
ショーだと言う認識にして少しだけ
真面目にやってみる事にした

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【非国民】

運動会の予行練習をし始めて数日後
とある先生が開催を華やかにする為に
ラジオ体操の歌を全員で歌ってから
ラジオ体操を始めようと言い出した

このとき俺はラジオ体操の歌詞なんて
全く知らず解るのはみんながよく歌う
「古い夜が来た絶望の闇が～」と言う
替え歌の歌詞だけだった

しかしそんな事なんて関係なく
運動会の予行練習の時に問答無用で
即ラジオ体操の歌を歌う事になり
歌詞を全く知らない俺は焦りまくる
ﾋｨｰ(ﾟﾛﾟﾉ)ﾉ

そして先生の合図で歌い始めると
歌詞を知らないのが俺だけで仕方なく
口パクでごまかすと先生に見つかり
「歌詞知らないの⁈」と見抜かれた！

でも自分だけ知らない事が恥ずかしく
思わず「知ってます」と言ってしまい
先生に「なら歌ってみて」と言われて
完全に崖っぷちに立たされてしまった

もう後に引けなくり俺はやけくそで
替え歌の「古い夜が来た絶望の闇が」
と歌うとみんなに大爆笑されてしまい
大恥かいて奈落の底に落とされる！
ｷﾞｬｱｧｧｧｧｧー！∑(ﾟДﾟﾉ)ﾉ

その後先生に「こんな常識的な歌を
覚えてないなんて非国民よ」と言われ
翌日までに覚えてくるよう命令されて
必死に覚える羽目になってしまった