企画コンセプトも公開。「福岡市」は「LINE」でどう便利になったの?事例集。
1.今日は何の話?誰にむけた記事?
すずきです。LINE Fukuokaで取締役COOをやってます。
このnoteではLINE Fukuokaが福岡市で取り組んでいるプロジェクトについて紹介するとともに、企画段階の「コンセプト」をご紹介します。まさに中の人からの紹介です。何かしら仕事で「企画的な要素があるもの」に携わっている方が読むとヒントがあるかもしれません。そんなあなたにこの記事をお届けします。
「LINE Fukuokaって何?」と冒頭から躓いた方は以下noteを読んでいただいてもよいですし、飛ばしていただいても理解できる記事になっています。
2.「LINE」で便利になった「福岡市」の事例集
LINE Fukuokaは福岡市との包括連携協定を結んでいて、LINEを使って福岡をスマートシティにしていくことを目指しています。そんな事例の一部を以下にざざっとご紹介。企画コンセプトは以下の段落3に書いてますので、先にそこを読んでから事例集に戻ってくる読み方でもよいと思います。
2-1.福岡市LINE公式アカウント(160万人登録)
・自分が欲しい情報だけが、欲しいタイミングでLINEで届きます。
・例えば住んでいる地域を登録しておくと、お住まいの地域の「ごみを出す日」にLINEで通知が届きます。
・福岡市は「燃えないごみの日」を出すのは月に一回しかありません。飲んだくれて家に帰り、燃えないごみを出し忘れると大変なことになります(笑)。でもこれに登録しておけばリマインドLINEが届くんですよね。
2-2.LINEで粗大ごみを申し込み(デモ動画あり)
またゴミの話です(笑)。ソファとかベッドとかの粗大ごみってどうやって捨てるのか、いつどこに持っていけばいいのか、よく分かりませんよね。
・「粗大ごみ受付窓口チャットボット」が簡単に案内してくれます。
・利用者満足度アンケート調査では97.4%の方に満足頂いています。※2019年2月時点
2-3.LINEのAIが引っ越しに必要な書類を教えてくれる(デモ動画あり)
春の引っ越しシーズンとても反響がありました。以下のデモ動画をさくっと見た方がはやいです。
2-4.LINEならお席で注文・決済できる(デモ動画あり)
ああもうお父さんは列に並ぶ役をやらなくていいのですね。感動。こちらもデモ動画見ちゃいましょう。
3.企画コンセプトを公開
上記事例集、まず最初は2年前に「福岡市LINE公式アカウント」をつくるところから始まりました。このときの企画コンセプトは何だったのか?結論から言います。
企画コンセプトは「ママ友の間で話題になる」、企画コンセプトは「ママ友の間で話題になる」です。大事なことなので2回言いました(笑)。バグではありません。
「なにそれ?」って感じで拍子抜けした方もいるかもしれません。でもね。よくこういうお話をいただくんです。「もっと大勢の人に告知したい。LINEってみんなが使ってるからLINE使えばなんとかなるよね」「いまアプローチできてない人に情報を届けたい。だからみんなが使ってるLINEを使えばいいよね」。
でもほんとにそうですか?自分はLINEで色んなアカウントをブロックしているのに?いらない情報はいらない。これは自分にとっては当たり前の話。でも自分が企画する側にまわるとどうしても、より多くの人に届けたい、たくさん届けたい、その思いが強くなって、遠くにいる誰か分からないような人に情報を届けるようなことをしてしまうんです。でもその情報いらないですから。自分が一番よく知っていますよね。
雲をつかむように遠くの人に情報を投げ込むのではなく、顔が見える自分の知り合いに直接自分の言葉で丁寧に伝えるように。
ちなみにみんな大好き私も大好き、ジブリの宮崎駿監督は「半径3m以内に大切なものはぜんぶある」と言いました。
4.企画コンセプトが拡がっていくイメージ
●ママ友Aさん「ねえねえ、福岡市のLINE知っとる?あれめっちゃ助かるばい。自分の住んどるところを登録しとけば、ごみの日にLINEでお知らせがくるんよ」
●ママ友Bさん「そんなんあると!先月、旦那に燃えないごみ捨ててって頼んどったっちゃん。なのにあいつ忘れ取ったとよ(怒)。それ登録させとけば忘れんやん(笑)。でもいらん宣伝とかもたくさんくるっちゃろ。私ぜんぶブロックしとるけんね」
●ママ友Aさん「いや自分の欲しい情報だけチェックしとけばいいけん、いらん情報はこんとよ。私はPM2.5が飛んできたときに情報が届くようにしとる。朝仕事行く前に洗濯物を外に出すかどうか迷うやろ」
●横で聞いてた私の妻「(それうちの旦那の仕事やね^^)」
若干脚色もありますが(笑)ほぼ事実です。こんな風になることを願って企画して世の中に送り出しましたが、本当のことになってすごく嬉しかったのを今でも覚えてます。
それ以降の企画のすべてのターゲットがママ友だとは限りませんが、自分の知っている人が、そのサービスを使って笑ってる様子が手に取るようにイメージできるか?という感覚はとても大事なことだと思います。自分の知っている人に大切に直接届けるように。その気持ちが積もり積もって、繋がりに繋がって「福岡市LINE公式アカウント」の登録者数160万人という結果になっているんだと思います。
5.まとめ
いかがだったでしょうか。企画の仕事のほんの触りの部分だけの紹介でしたが、いちばん大事な部分をシェアさせていただいたつもりです。これを丁寧に読んでくれたあなたのヒントになっていれば嬉しいです。企画や仕事についてのもうちょっと突っ込んだところ、その大事なポイントについてはまた別記事で書いてみようかと思います。
ちなみに上記プロジェクトは、LINE FukuokaのSmart City戦略室の南方室長を中心に、営業推進、企画、PR、開発等々の少数精鋭のイケてるメンバーたちが推進してくれています。南方室長の記事も参考になるかもしれません。また室という組織になる前に活躍してくれた人たち、室の外から意見をくれた人たちもいます。皆さんのおかげで福岡市は便利になっています。ありがとうございます。
そして最後に。興味をもっていただいた方はこちらも…とついつい採用情報を貼ってしまう、前職で採用広告ディレクターをしていた私の性をどうかお許しください。
おまけ
福岡市さんが遊び心で追加でこんなのつくってくれたんですよね。面白い。まさにLINEと福岡市との協創って感じがします。福岡市って器が大きいね!