【期間限定公開】『疲れない体を脳からつくる ボディハック』はじめに

※この文章は、8/7（金）に発売される新刊『疲れない体を脳からつくる ボディハック』（www.amazon.co.jp/dp/4781619002）の「はじめに」を期間限定で無料公開したものです

「朝起きたら、すでに疲れている」
「１日中ずっと体がだるくて、集中できない」
「休日は寝て過ごしているのに、体力が回復しない」

本書は、こうした脳と体の不調を根本から改善し、ヒト本来の力を回復させることで「疲れない体」を手に入れるための本です。

現代社会において、「病院にかかるほどではない不調」を抱える人は年々増えています。

この原因としては「仕事が忙しすぎるから」「ストレスが多いから」「栄養状態がよくないから」と、様々なものが挙げられるでしょう。しかし、見落とされがちですが、じつは１つ重大な原因があるのです。

それは、「わたしたちの体は20万年前からほとんど変化していないのに、生活スタイルだけが劇変してしまっている」ということです。

通勤やオフィスワーク、スマホ依存といった現代の環境の中で、ヒト本来の身体機能が麻痺してしまい、その歪みが「不調」という形で現れているのです。

突然ですが、あなたは「片足立ち」ができるでしょうか？

「バカにするな」と思われてしまったらすいません。しかし、これはあなたの脳と体の状態を確かめるためのテストの１つです。

いま周りに十分なスペースがあり、危険な障害物などがなければ、ぜひ試してみてください。

右足を前に浮かせ、膝を直角に曲げてバランスをとり、20秒間倒れずにいる。これは90%の確率でクリアできると思います。

さて、それでは、目をつぶってみるとどうでしょうか？

途端に体はグラグラと揺れ、多くの方がバランスを崩して足をついてしまうでしょう。

これは体の平衡感覚をチェックするテストで、健康な脳と体なら、目をつぶっても余裕をもって20秒以上倒れずにいられます。できなかった人は脳と体の結びつきが弱っている可能性が高いです。

では、脳と体の結びつきを回復させるにはどうすればいいのでしょうか。

「運動すればいいんじゃない？」と思われる方も多いことでしょう。

ひねりがなくて申し訳ないのですが、じつはそれが正解です。しかし、「ただ運動すればいい」わけではありません。

最近ブームになっている筋トレ、ストレッチ、マッサージはじつは脳と体の結びつきを回復させるには不十分です。

筋トレは体に不自然に負荷をかける行為なので、うまく行えなければ不調は悪化し、ストレッチとマッサージはあくまで不調の対症療法です。不調を根本的に改善するには、ただ運動するのではなく、体（ハード）を「正しい使い方で、正しく動かす」しかありません。そのために、体の使い方を決めている脳（ソフト）へアプローチをかけるのです。

「どういうこと？？」という、ごもっともな疑問にお答えしていきますね。
まず、ヒトは「①体から脳への刺激→②脳で刺激を処理→③脳から体への信号→④体の行動」というサイクルで動いています。いわば脳は体のソフト、ＯＳです。

従来の筋トレ、ストレッチ、マッサージは、「筋肉が弱いから鍛える」「体がかたいからストレッチする」「凝っているからマッサージする」というように、主に「④体の行動」の結果で生じた不調のみを解消するものでした。

しかし、運動不足の現代人の生活では、体から脳への刺激に不足・偏りがあるため、①から問題が生じているのです。

ソフトがバグを起こしていれば、当然ハードにもバグが現れます。そのため、④のみへの対症療法では、この〝不調の循環〟を止めることができないのです

体の不調を根本的に解決するには、脳が司る「①～③」の過程を改善し、ソフトをアップデートする必要があります。それによって、脳と体に発生したバグを解決し、本来の体の動かし方を取り戻すことができるのです。

先ほど紹介した「片足立ち」のテストを例にすれば、脳の「前庭」や「小脳」といった部分へ適切な刺激を与えることができれば、目をつぶっても20秒以上立ち続けることが可能になります。

それを実現するためのメソッドが、脳から体を変える「ボディハック」です。

ボディハックの土台になっているのは、脳科学や解剖学、生理学などの最先端の科学的知見です。それらは国内ではまだ浸透していないのですが、世界のトップトレーナーたちが実践しているメソッド群にも採用されています。

ボディハックは、それらを基に私が実践しやすいようアレンジしたものです。

自己紹介が遅れましたが、私はパーソナル・トレーナーとして、これまで8000人を超える人々の体の不調を根本的に解決してきました。

パーソナル・トレーナーは、マンツーマンで栄養からトレーニングまでを指導し、クライアントが抱える体のトラブルに一緒に向き合い、解決していく仕事です。しかし、私もはじめから根本的な解決ができていたわけではありませんでした。

たとえば、クライアントの「膝が痛い」という問題に対し、昔は私も膝を中心にしたトレーニングやマッサージで対処していました。しかし、そうした処置で一時的に痛みが和らいでも、しばらくするとまた痛み出してしまいます。

通常であれば、痛むたびに通ってもらうことになるのでしょうが、私はこうした問題を「どうにかして根本的に解決したい」と、試行錯誤を繰り返しました。そのうちにたどり着いたのが、「脳（ソフト）と体（ハード）の関係性」だったのです。そこから海外の最新情報を取り入れながら、脳科学を学び、人体解剖を経験し、脳から体にアプローチする根本的な解決法を実践してきました。

それらの一部は、TwitterやYouTubeを通じても発信しています。とくに、142ページで紹介する「セラタススクワット」はTwitterで10万RT、48万いいねと大きな反響をいただきました。

こうしたトレーニングの理論と実践法を、初めて体系立ててまとめたのが、本書『疲れない体を脳からつくる ボディハック』です。

まだまだ体は奥深く謎に満ちていますが、私はいまも問題の本質に１歩２歩と近づいています。

本書は次のような構成になっています。

まず第１章では、現代人の疲労の仕組みを、脳と体の関係性から解き明かしていきます。

つづく第２章では、ボディハックがどうして人体に有効なのか、最新科学の知見を交えてその理論を解説していきます。

そして第３章では、あなたの脳と体のどこにバグが起こっているのか、簡単な「ボディチェック・テスト」で確かめていきます。

いよいよ第４章では、テストで明らかになったバグを解決すべく、「ボディハック・トレーニング」へと進んでいきます。

最後の第５章では、ボディハックの効果を倍増・持続させるために、健康オタクの私が実践している習慣術を紹介します。

本書で紹介するトレーニングは、すべて「一人で」「自宅で」「簡単に」行えるものを厳選しました。体力に自信のない方も安心して取り組んでいただけます。

さて、それではいよいよボディハックのスタートです。
本書は、より多くの体の不調に悩む方、健康な体になってパフォーマンスを上げたい方に向けて、私がこれまで蓄積してきた理論と実践法を凝縮した１冊になっています。

ぜひあなたもヒト本来の機能を取り戻し、疲れ知らずで、いつも調子がいい体を手に入れてください。

『疲れない体を脳からつくる ボディハック』 8/7（金）発売!!
予約受付中です → www.amazon.co.jp/dp/4781619002

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