フレーフレー
先日、美味しい食べ方、口元の話をあげましたが、その時は「下山めし」の志田未来氏の大きな口を開けて、こぼれんばかりに食べる姿が美味しそうと、褒めました。
私はテレビドラマは30分ドラマ、かつ動画では見ない(きりがないから)と決めておりますが、その「下山めし」の「陣馬山」の回はなかなか面白いものでした。
志田氏は雨具を忘れてびしょ濡れで下山し、濡れ鼠の彼女がたまたま目にした焼き鳥屋に入るという話。
その店で、雨具を忘れたらどうなるかについて、「安全に下山できてよかった、痛い思いをしたら二度としない(忘れない)でしょ」という焼き鳥屋の主人の言葉は大変正しいもの。
彼女が、頂上に向かわず下山してきたのは大変勇気のある行動で、主人公が状況に流されず、主体的に山登りをしていることがわかる良い場面でした。
つい、もう少し先まで、もうちょっとしたら…と、ここまで折角来たのだからと思いがちで、その先はだいたいが「しまった」という場面となるのは、私も良く経験しています。進むのは蛮勇、下がるのは勇気だと思います。古来から引き下がるのを蛮勇とは言いませんものね。
そのびしょぬれで下って入った焼き鳥屋さん、見ていて志田さん寒かろうな(ドラマだけど)と思いながら、彼女がホットウーロンから熱燗に進むのを見て、そりゃそういう選択が正解だと思ってみていました。
そのお店の棚にはずらりと日本酒の一升瓶が並んでいますが、「あっ」と思ったのは、私のよくいく居酒屋でいつも頂く「冨玲」が目に入ったからです。
私は冷酒が苦手です。冷えすぎてお腹が痛くなるのです。ウヰスキーもロックはダメで、水割りも氷抜きの常温水で割ったものでないとお腹が…。ビールも最近はサッパリなのは冷えているから、となると焼酎のお湯割りか、日本酒の熱燗あるいは常温という選択になります。
そこで、行きつけの店で熱燗を頼んだところ、「熱燗ならこれがお薦め」と言われたのが「冨玲」で、飲み始めた今では愛飲しています。
このお酒はあまり見かけることがないので、へ~、高尾にもあるのかと感心しました(彼女が下ってきたのは高尾山口駅)。
居酒屋の大将はキリマンジャロやマナスルにも登った山男で、その後エベレストに登るという設定でしたから、「冨玲」=フレーと背中を押す日本酒がピッタリ。もちろん志田さんに言ったように、「安全に下山できてよかった、痛い思いをしたら二度としない(忘れない)でしょ」へのフレーフレーです。
広島でこの「冨玲」が置いてある酒屋は二軒あると教えてもらって、その後買いに行くようになりました。この場面を見てそれを思い出し、この正月に親戚が来た時に飲むのは「冨玲」にしようと思い、買いに行きます。一年の初めに丁度いいネーミングでもありますからね。