今年の漢字は「怠・惰」で決まり
大谷氏と水原氏の騒動で感じるのは、まずもってあまり良いニュースではないが、テレビやメディアは話題に事欠かないのでウハウハでしょう。先日のご結婚からスキャンダルと続きますからね、出来ればこの後シーズンでの活躍があれば、毎日、毎週の時間枠はがっちり使えるという思惑が感じられます。NHKもBSでガッツリ中継の予定ですから、この後何らかの事態で大谷氏の出場が制限されると、スポーツ局の方は首が飛ぶのでしょうか。あるいはMLBとの契約の中にそういうリスク項目が入っているのでしょうか。
もちろんドジャース側も不適切な問題があれば契約金の減額の条項は入っているでしょうから、これから色々あればマスコミが喜ぶだけだけど。
いずれにしても私が感じるのは、やはり大きなお金が動く所には、甘い汁をする輩がよってくるという昔ながらの教訓。
ただ盛和塾で学んだ身としてはこういうフィロソフィも頭に浮かびます。
「ダブルチェックの原則を貫く」
人は誰しも単純なミスを起こすことがあります。また、してはならないと知りながらも、つい魔が差したように不正を行ってしまうことがないともかぎりません。
こうしたミスや不正を防ぐためには、複数の部門や人が関わるダブルチェックのシステムが働くようにする必要があります。物品の購入における受入部門と検収部門という複数部門によるチェック、公印の捺印における捺印者と保管者という複数の人によるチェック、数字の計算における二者検算等は、その代表的なものです。
特に金銭関係や物品の管理においては、このダブルチェックを徹底し、ミスや不正を未然に防止する体制にしておかなければなりません。」
補足として
「人間、誰しも出来心ということがある。そのような心のすきを突いてしまったがために、その人に罪を犯させてしまったのなら、これはマネジメントの責任ではないか。不正をしようと思ってもできないシステムにしておけば、人を罪人に陥れることにはならなかったはずだ。私はそのように考えるのです。
それは何も、人間はもともと悪人なのだから、悪さをしないようにダブルチェックをしなければならない、という性悪説に基づいて言っているのではありません。みんな善人なのですが、つい魔が差してしまうことがある。だからこそ、それをさせてはならない。罪をつくらせてはならないからこそ、ダブルチェックを行うのです。」
つまり大谷氏が経営者なわけですから、間違いなく彼のマネジメントに間違い、甘さがあったことが水原氏の問題につながったとも言えるのだと思います。
大谷氏はJALと契約をされていますが、JALには稲盛フィロソフィが入っています。これだけの存在になってしまうと、周りからはヨイショばかりで厳しい指摘を受けることは本当にないのだろうと思いますが、大谷氏もこれから長い人生があるわけですから、良い機会として大谷氏も学んでほしいと思います。
というLAタイムズの指摘はある面正しいと思います。
ただ、この甘さ、ルーズさはここ数年目につく事で、自民党の裏金事件などまさにルーズの極みでしょう。「これくらいいいんじゃないの」「まえからやってることだから」「みんなでやってることだから」に更に「責任者は軒並み鬼籍だからバレないよ」というのですから、ルーズ甚だしいと思います。
結局、今一所懸命なのは事実の究明ではなく、糊塗することに一所懸命の体たらくです。国民の代表である国会議員が集団でやっているわけですから、我が国の鏡みたいなものなので、大谷氏だけでなく、日本全体がルーズな国民になっているのを見せつけられているのだと思います。
というわけで日本の今年を象徴する漢字は、ルーズを意味する「怠惰」のどちらか一文字ではないでしょうか。
さて水原氏も大変です。先日読んでとても面白かったコーマック・マッカーシ氏の「通り過ぎゆく者」ですが、何者かに主人公が後半がんじがらめに追い込まれるのですが、身動きをとれなくするのが「内国歳入庁」。米国はキャッシュ社会というよりカードや小切手の世界ですから、それを使用できなくすると生活自体どうしようもなくなり、主人公は一時ホームレス状態に。
水原氏も内国歳入庁マター、さらに国土安全保障省となるとまさに「通り過ぎゆく者」状態。
ちなみに「通り過ぎゆく者」は国外逃亡防止のためにパスポートも停止になりましたから、水原氏も…。
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