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不幸な家庭は、それぞれ異なる理由で不幸である

先日地元紙に出ていました。

台湾有事の際に先島の12万人が九州、山口などに避難というか強制移転させるという計画です。
広島の地元紙に出て初めてこの計画を知りましたが、それは移転先が山口も含まれているからだと思います。移住元の沖縄での取り上げとは全く違うのだと思います。台湾有事はそんなに緊迫化しているのかとも改めて思います。

しかし、この記事を見て思い出したのは先の大戦末期に起きた日本軍による先島の強制移住とそれによって起きたマラリア罹患、死者のこと。
なんと八重山諸島では3600人余りがマラリアで亡くなったのですが、それは日本軍により引き起こされた悲劇、地獄だったのです。

沖縄戦は避けられず、その際は多くの離島は守り切れないと、離島を切り捨てて強制移住させるという方針が出されました。
波照間島では、陸軍中野学校・離島残置要員特務兵の陸軍軍曹酒井清によって、波照間島から西表島に島民が全員強制移住となったのですが、その移住先は西表島ではマラリアが発生する場所として忌避されていたところだったので、移住した波照間住民のマラリア罹患率は99.7%、死亡率は30.09%、ほぼ全員が罹患し、その三分の一弱が死亡。多くが戦後島に戻れなかったという、まさに地獄があったのです。米国の戦闘でなくなったのはわずか、ほとんどは無残な軍令に従ったことによって亡くなり、その史実は「戦争マラリア」とも呼ばれます。

戦後、その責任は誰も負わず、補償もされませんでした。親族が全滅で孤児となった島民は少なくなく、そのことも描かれた「三上智恵」監督の映画では胸がつまる思いでした。

「オオカミが来た!」として、この台湾有事の九州・山口への強制移住は、霞が関で書かれた絵空事です。
しかし実際にその「命令」「軍令」に従わされる12万人は、遠く離れた霞が関の人ではなく、戦争マラリアを経験した先島の人たちでもあります。

先の大戦後、戦争マラリアの責任をうやむやにして、また繰り返すのか…という感じを受けます。あまりに虫が良すぎるのではないでしょうか、そう思います。
いや、それは過去の不都合はないことにして、同じことを繰り返すという「美しい国日本」という国の姿なのでしょうか。

またトランプ+ネタニヤフのお二人も奇々怪々な強制移住。

人道的とかきれいごとを言っているようですが、結局はパレスチナ人をこの地から追い出し、米国経済振興(世界に奉加帳を回して自らは金を出さず、生まれる経済的利益はユダヤ資本に与える)というのが丸見えで呆れるばかりです。

タイトル写真は地元紙のアーカイブから、1945年12月の広島です。ガザとも重なり、トルストイのアンナ・カレーニナの「すべての幸せな家庭は似ている。不幸な家庭は、それぞれ異なる理由で不幸である」を想起させます。

戦争の勝者は更に焼け太り、傲慢さも似ている。
廃墟のような光景の広島、ガザは異なる理由ですが共通しているのは不幸です。

2人のトップは色々言われているようですが、間違いなくトランプはディールをしているのだと思います。もちろん面倒までは引き受けたくないので、どこで妥協するか。
石破首相が会いに行っていますが、願うのは、最初の取引のカード(ブラフ)に心乱れ、顔に動揺を出さないことでしょうか。
ディールというのは「3000円なら買うよ」「いやいや10000円の商品ですよ」という奴、最初にガツンと値付けをするが、それは7000円くらいに下げさせるための初手。
石破さん初手で「冷やかしなら帰ってくれ」「仕方ない3000円にします」というのは商売ではダメな一手です。

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