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勝ちっぷり、負けっぷり
勝負事だけでなく何ごとも結論が出た時の振る舞いが、その人の価値を表すと思います。
私はプロ野球が少し鼻につき始めたのは、クロマティ氏から。彼が打った時の派手なパフォーマンスがとても嫌でした。ですから今でも「どすこい」君には嫌悪感を感じます。もちろんそれに類する選手は多くいますけどね。
それは相手選手に対するリスペクトが感じられないから、彼の目の先にあるのは自分のチームとファンだけで、相手チームなど眼中にありません。
野球だけでなく相撲も同じ、これまた大きく変わったのは貴乃花からではないかと思います。彼が足を怪我した後に武蔵丸に勝って優勝した一番。あの姿は貴乃花ファンには堪えられなかったでしょうが、武蔵丸関には甚だ失礼。関取は相手に対して敬意を払って勝負するから相撲道だったと思いますし、その象徴が横綱だったはずなのに…、そのタガが外れてからは朝青竜始めやりたい放題でスポーツ相撲に変化。これも大相撲から私の関心が外れていったきっかけだと思います。
サッカーもそうですね、ゴールの際のパフォーマンスはカズダンスのあたりから甚だしいですが、いずれの場合も相手あって自分の成果が出ることを忘れてはなりませんから、ゴール、勝敗が決まった時の振る舞いこそ、その人の値打ちだと思ってみています。
さて袴田さんの無罪確定、何よりのことだと思います。本当に言葉にできない苦労、辛酸をなめたと思いますが、これからも健康でお過ごしいただければ幸いです。
この冤罪裁判では袴田さんが勝者という立場ですが、ここにあるお姉さんの言葉は浮ついていない、本当に謙虚な言葉だと思いますし、敗者に対して砂をかけるような言葉は一切ない。素晴らしい振る舞い、勝ちっぷりと思います。
一方目を疑ったのは検事総長の言葉。この方が敗者の立場ですが、繰り言以外の何物でもなく、みじめなものに感じます。無残な負けっぷりということでしょう。言わなきゃいいのに…。
検事総長は「私たちは間違っていない、それをまっとうに評価しない裁判所こそ責任大」というスタンスですが、それは静岡地裁の判決の厳しさに腹立たしさを隠せていないという、非常に感情的な、メンツこそ大事という姿勢に見えます。
またそれが、この冤罪事件の再審を長引かせた一番の背景であることに検事総長自身気付いていないことに唖然とします。
いやそのことを談話として述べること自体、事件解決より組織防衛が至上命題だと言っていることに他ならないでしょう。
もちろん県警も同様ですが、テレビ静岡は「官僚的答弁」と手厳しい評価。結局ひとりの人間を組織が自らの組織防衛のために長年監獄に送ったということだと読み取れます。
さらに公安で言えば
朝ドラの「虎と翼」が終了したと同時に、司法と行政の実態が表ざたになるとは皮肉なものです。
さて衆議院が解散しましたが、今月バタバタと選挙。先週末は町内の投票所になる集会所を町内役員総出で大掃除(女房は草むしり)でした。間の19・20日は氏神様のお祭りがあるので、選挙は迷惑なことこの上ありません。
選挙ですから当選もあれば落選もあります。大事なのはその時の振る舞い、もちろん一人ひとりの候補者だけでなく、党本部の役員の姿もしっかり見ておきたいと思います。
まあすでに公認外れ、あるいは比例重複外れてトホホ、という闘わずしての振る舞いも見苦しいですが。