トヨタ飯店は
何回もアップしていますが、私は稲盛さんの経営哲学を学び続けています。毎月テーマを変えて社員と1対1で勉強会をしているのですが、今月のテーマは「手の切れるような製品を作る」というものです。
詳しくは稲盛氏の著書が山ほど出ていますのでご覧いただければと思います。
サイトにもあるように稲盛氏は
「たくさんの製品をつくって、その中から良品を選ぶというような発想では、決してお客様に喜んでいただけるような製品はできません。
完璧な作業工程のもとに、一つの不良も出さないように全員が神経を集中して作業にあたり、ひとつひとつが完璧である製品づくりを目指さなければなりません。」
とされています。このことを社員と話をしながら例えとして「美味しい中華料理屋だけど汚い店、普通より少し程度の味だけど小ぎれいな店、どちらに行く?」と聞くと「やっぱり味でしょう」もいれば「まあ綺麗な方が」という人もいます。その店をどうするのかは中華料理屋のおやじ=経営者の哲学でもありますから、どちらもあるのだろうと思います。
しかし万一、食中毒を出したりしたら小ぎれいな店は「あんなに清潔にしていたのに、こんなこと起きるんだ」という受け止めでしょうが、汚い店の方は「やっぱりな」という反応になりがちではないでしょうか。
稲盛さんの「手の切れるような」というのは出来上がった製品がそこそこ良いではダメで、それを生産するプロセスから造り上げないと「手の切れるような」は出来ないということだと思っています。
またサイトの前段にある「製品にはつくった人の心があらわれます」こそその中華料理屋のおやじ=経営者の経営哲学を指していると思います。
先日来書いていますが、自動車メーカーの惨憺たる状態は「ものづくり」のなんたるかが欠落しているのを白日の下にさらしたのだと思います。
そして豊田会長始め今回不正認証問題で立ち入り検査のあった自動車メーカーのトップは同音異句で「国の認証試験より厳しい条件で審査をしており、安全性に問題はない」と言っていますが、この言葉は
① 国の認証基準より自社基準を優先して良い
② 安全性の担保は国の基準でなく自社で決定する
と言っていることになります。
うがった見方でいうと、トヨタ飯店ではキレイ・清潔になっているかは豊田店主ルールが決める。味さえよければよかろう主義で、食中毒など出るはずがないという傲慢なお店であるということなのかも。
つまり豊田店主の経営哲学は稲盛氏とは全く違う。だから「万が一」があった時に、踏ん張る足場がなく、ズルズルと土俵際まで下がっているという姿に見えるのです。
当社は過去トヨタ生産(かんばん)方式を実践指導していた先生に来ていただき、数年間教えていただいた経験があります。その時先生は生産方式を確立した「大野耐一」氏の弟子「鈴村」「横瀬」という系列にあり直に学んだ方で、本当にべんきゅになりました。
薗先生が言われていたのは、「トヨタが強いのはトヨタ生産方式の定着に取り組んだ部門の責任者を経て、その後トヨタのトップになっていたから、現場主義のDNAの方が開発より優先していることを全員が認識している」ということでした。
当時の張社長はまさに大野氏の直属の部下でもありましたがから、なるほどなと思いました。一方現会長はそこ経由ではないし、ご本人、会社として随分哲学としても乖離しているようです。
トップ就任以来とても業績が良いのは、30年前に80円を切っていた円高が、今は160円ですから倍くらいになっているのが一番の要因でしょう。
海外で100万円で売れていたものが、原価はほぼ変わらず200万で売れるようになったようなものですから、そりゃ儲かるでしょう。でも円安の時、100万でも利益を出るようにしたのがトヨタ生産方式だったはずなんですが。
さて、トヨタ飯店のフランチャイズ店(販売店)はといえば、まあお粗末な限り、系列全体ビッグモーターもどき、親が親なら子も子ですね。
それに対するマスメディアの追い込みも相変わらず、大スポンサーには腰が引けているようで、地上波を見るとトヨタのCM枠に流れるのは、車ではなく「トヨタイムズ」というイメージ広告を穴埋めでやっていますが、東日本大震災の時のACの金子みすゞ氏を思い出します。
地上波のテレビ局も大スポンサーが何より大事ですからね。
そう、こういうのもありました。
「日本のメディアは何十年もの間、このような不祥事の隠蔽に関与してきた」「人権への影響を慎重に検討し、影響力を行使することが依然として重要だ」
NHK以外にこのことに振れているマスコミはどうやらない。地元紙も共同通信からのものでしょうが、全く触れません。メディアのジャニーズ、自動車業界への対応、共に「容認しがたい」ですね。