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コミュ障・言語理解

年明けから、連続ドラマを週一で見ています。それは私にとっては珍しい事なんです。

最初は「奈緒」氏が主役のドラマだから、と見始めましたが、刑事物のミステリーとは少々驚きました。

紹介にあるように、新宿の刑事と通訳が主役で、キーワードは日本語がおぼつかない容疑者、関係者とどうコンタクトできるか、また通訳は正しく内容を母国語で伝え、また日本語に訳せるのか、誤訳はないのかという点で、なかなか興味深く、私の視聴限界の30分を超えていますが、続けて見ています。

さてそんな中、先週、図書館から借りてきたのが「台湾裁判」(唐福睿)です。法廷ものではありますが、なかなか広がりがあり、台湾ミステリー恐るべし。

ネタバレしない程度で紹介すると、主人公の弁護士が台湾の少数民族であるアミ族出身という複雑な背景があり、差別を受ける立場であると共に、アミ語という台湾では標準中国語か台湾語の社会では全く通用しない言語の話者でもあります(実際はアミと中国語のバイリンガル)。

さてその弁護士が弁護をするのがインドネシア人の若い漁師ですが、彼は東ジャワの出身で、標準インドネシア語は会話できないとの設定。注にこうありました。

「インドネシアには100以上の民族がおり、使用言語は700種に達する。1949年の独立時にインドネシアは人口の多数が使用する方言(ジャワ語・スンダ語)ではなく、首都の方言を公用語として採用した。他地域の方言話者同士はコミュニケーションができず、また文字も理解できない。インドネシアでは人口の60%しか公用語であるインドネシア語を話せず、日常会話にインドネシア語を使うのは僅か10%である」

いや~知りませんでした。

ここから見ると東ジャワだから「madura」という区分になるようです。

ということで漁師に対して職務質問した通訳(標準インドネシア語)で聞いたことは、本人とは全くかみ合わないままの作文であったことが更に事件を複雑にしていきます。
もちろんアミ族の弁護士であるからこそ、会話のゆがみに気が付いていくのですが。

日本ではここ数年改善どころか放置されているのが、外国籍の入管収容所や在留資格への対応の問題です。このミステリーで書かれたような緻密な通訳者の設定って果たして出来ているんでしょうか?本と同様に「通訳いないんだから、とりあえずで同じ国の話者でいいんじゃないか」ということもあるようにも思います。

ということで、さらに興味深く「東京サラダボウル」を見て行けるのでは、と思っています。また、この「台湾裁判」は日本の司法と似たような、また似てないような箇所が書かれていて、とても興味深いものでした。それはまたアップしたいと思います。

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