ユーラシア分割の形
日本では全く報道されないようですが、韓国の新聞によると
大統領選挙は共和党がトランプ氏を選ぶのはほぼ確実ですし、バイデン氏はほぼ勝てまいと思いますから、この発言は非常に重要です。
在日米軍は以前のスケジュールに立ち戻って縮小、撤退。日本は中露の前面に立たされるわけなので、自衛隊は米軍が担っていた防衛を全面的に引き受けざるを得ないでしょう。防衛庁から防衛省になってからの流れは加速するでしょうが、自国防衛ということで再度防衛費の中身は見直しもされると思いますし、基地問題も「米軍だから」という御託は通用しませんから、どう整理していくのかは重大な問題です。
また外交においても対米一辺倒も終わり。自国で中露と交渉しなければならないし、中台問題も台湾一辺倒で、日本が一体なんて言っておれませんから、いかに中露以外の国と緊密に連携をとれるか、「米国の敵は日本の敵、米国の見方は日本の見方」なんていう甘い考えは捨て、建前一辺倒の外交交渉も転換の時期となりますし、丁度GDPが4位転落となり、日本経済もリセッションの真っただ中なので、今までみたいに札びらで相手国の頬を叩くようなことは中国にお任せして、違う交渉材料を見出さねばなりません。
しかしプーチンと金氏を「OKなガイ」なんていう笑っちゃう言い方をするところが米国におけるトランプ人気の一端なのかもしれません。日本で首相が「OKなガイ」なんていうと、まあ前言撤回と謝罪の嵐でしょうから。
もちろん中露だけでなくそれ以外のユーラシアについてもアメリカは手を引こうとしていますから、その国々へのスタンスも重要になります。
先日読んだ「一神教と帝国」にユーラシアについて少し中期的に書かれたところがありました。
無断で抜き出すと。
「アメリカのユーラシアにおける覇権の衰退によって、清朝(中国帝国)、ロマノフ朝 (ロシア帝国)、ムガール朝(インド帝国)、サファヴィー朝(ペルシャ)とオスマン朝(トルコ)という五つの帝国の復権と文明圏の再編の流れがエルドアン大統領の再選によって加速化されることが予想されます。これらの五つの帝国はグローバル・サウスの中核ではありますが、そのうちの三つまでがイスラーム文明のサプ文明です。この三つのイスラーム帝国の復権を纏め上げることができるかで、次の任期のエルドアン大統領の黒の軽重が問われることになるでしょう。
私見ではムガール朝インド帝国の現代における継承国はアフガニスタン・イスラーム主教国(タリバン政権)です。
そしてハナフィー法学派の学問ネットワークを支持基盤とするネオ・オスマン帝国(エルドアン政権)とネオ・ムガール帝国(タリバン政権)のイスラーム世界統一に向けての共闘が成功するか否かが、ユーラシアにおける新たなより公正な勢力均衡による安定した秩序構築の鍵を握っていると考えています。」
ロマノフ、ムガール、サファヴィー、オスマンという世界史で習った国々が並ぶのもビックリしますが、確かに今の国、国境はその後に引かれたもので、民族や宗教、地理的な括りはこういった区分けになるのかもしれません。重要なのはここでも指摘のある「三つまでがイスラーム文明のサプ文明」という点でしょうし、清朝もウイグル、ロマノフ朝も脛にイスラム文明の国々を抱えているわけですので、結局5つの帝国は共にイスラムにコミットせざるを得ないとなれば、日本も自ずとそうなりますし、逆に自国の問題として内に抱え込んでいないというメリットはかなり大きいのなのかなと思います。
いはやは21世紀は国から宗教を核とするゆるやかな帝国群に変貌する世紀になるわけか…