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スコットランドヤードと征夷大将軍

この方は自民党の参議院中国比例選出。私は投票したことは一度もありませんが、中国地方に住むものとして誠に恥ずかしいし、人権侵害をする国会議員の存在を許している自民党総裁に対しても不愉快な思いを持ちます。

この方はアイヌ民族の豊かな文化背景なんかまったくご存じないのでしょう。青空文庫に出ていたコロボックル(コロボックンクル)についてのこちらをお読みいただきたい。

どうやら杉田氏はクシベシの子孫なのじゃないでしょうか。

さて、9月の「100分de名著」はシャーロック・ホームズ特集でした。

初回は「緋色の研究」、二週目は「赤毛組合」と「唇のねじれた男」でした。早々に展開や内容がわかるということは、小学校の頃に読んでいたからでしょう。

この中でロンドン警視庁を「スコットランドヤード」と呼んでいて、そういえばなんで「スコットランドヤード」なんだろう?と思いググってみると。

初代本部庁舎の一般入口がウェストミンスター区のグレート・スコットランドヤードという通りに面していたことから、スコットランドヤードの通称で知られ、日本の警視庁を桜田門と呼ぶのに似ている。

とのことでした。グレートブリテンはイングランド+スコットランド+ウェールズ+北アイルランド等の連合体ですが、イングランドとスコットランドの関係はどうなんだろうか?と見るとこんなのがありました。
「スコットランドとイングランド/山本義隆」

まあ微妙な関係、兄弟ではなく、腹違いの兄弟、あるいは遠い親戚から養子に来た兄弟と言った感じなのかも良いかもしれませんね。

そういえば日本でも「征夷大将軍」という言葉がありました。東北地方の蝦夷征討の大将軍ということで、坂上田村麻呂が有名ですが、後々「源頼朝」が征夷大将軍となり、鎌倉幕府、室町幕府、徳川幕府のトップが基本的に襲名をしました。
徳川慶喜が最後の将軍と言われるのは「王政復古の大号令」で「自今、攝關幕府等廢絕」=摂政・関白・征夷大将軍の職が廃止されたからです。
その後関白と征夷大将軍は廃絶したままですが、摂政は復活。今でも皇室典範16条に
「天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。また、天皇が、精神・身体の重患か重大な事故により、国事行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く」
と定められているので、本当は今の上皇は天皇のままで、今上天皇は摂政でも全然問題はありませんが、まあ上皇が辞めたいと言われた以上、仕方ないのでしょうね。
しかし初代征夷太守軍の巨勢麻呂(709年)から徳川慶喜(1868年)まで征夷大将軍という役職が途切れた時期はあるといえ1159年も続いたというのは凄いですが、一方で「蝦夷」という呼称は蔑称でもあり、大和朝廷の力の及ばない東国(関東・東北)、北方(北海道以北)に生活する人々が大和人より劣るという差別的な意味もある。
そもそも大和朝廷に影響を与えた中国春秋時代に生まれた中華思想には、漢民族外の東の日本・朝鮮を「東夷」、西域を「西戎」、蒙古方面を「北狄」、ベトナム方面を「南蛮」と見下していた。この「夷戎狄蛮」はいずれも文化や習俗の異なる周辺の異民族を卑しんで用いた呼称になり、それから考えると征夷の「夷」は日本が中国から「あずまえびす」と見下されたように、北のアイヌ民族を含めた人々を見下していた言葉で、それが1100年以上続いて使われているということは甚だ重いと思います。
もちろん大河ドラマの主役も徳川家康ですからこの「征夷」という言葉は何度か出てくるのでしょうが、どう扱うのでしょうか。それともスルー?

タイトル写真は青森のりんご、美味しい。


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