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たった一枚きりの、

かたひらになりし蝶の羽見つけ淋しき秋の到来を知る
(KATAHIRA NI NARISHI CHOU NO HANE MITSUKE SABISHIKI AKI NO TOURAI WO SHIRU)
 
枯葉になりきれない葉っぱの隙間に、蝶々の片翅を
見つけた。
 
たった一枚きりの、青と黒の色鮮やかな美しい薄翅。
 
小さい命は、簡単に終わってしまう。
 
日常の中のありふれた死。
 
人間の大きさからすれば、それは目と心に止まるほどの
影響力を多分持たないだろう。
 
お葬式もしないし、足を止めて黙禱を捧げることもない。
 
でもやはり淋しくなる。
 
この星の上で、生き物としての命の重要度や大きさは
違っていても、どうしたって生命には変わりない。
 
命というひとつしかない価値を失った、小さい仲間。
 
夏の終わりに逝ってしまった小さな生を哀しく思い、
秋が滲み始めた空を仰いだ。

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すずき春
読んでくださって、どうもありがとうございます** きらめく50音の中から掬い上げた31文字が、 あなたに届くとうれしいです。 今日も明日も、あなたの毎日が素敵な日々でありますように。 あなたの人生と世界が、優しいものでありますように。 すずき春