「日本経済新聞」に取材記事が掲載されました!
このほど「日本経済新聞」に小生の取材記事が掲載されました!
<日本経済新聞、2021年4月6日 夕刊2面>
・BIZワザ: 「目指せ!社外講師 ~「発信力」「表現力」「構成力」磨き~」
そこで、今回の日本経済新聞の取材記事に関する私の「バックボーン的な考え方」を、改めて、下記の通りまとめてみました。ご一読いただければ大変うれしいです。
■今回の「日本経済新聞」取材記事に関する私の「バックボーン的な考え方」
ビジネスパーソンが、企業に15年、20年、25年と務めていれば、自分がこれまで担当してきた業務の中で、「これに関しては誰よりも詳しい」、「このことなら人に3時間位は楽に説明できる」という事や分野があると思います。
現在は、Facebookやnoteやclubhouse等、無料で自由に発信できる「場」が色々と確立されています。このように、誰もが、いつでも、自由に発信できるという素晴らしい環境にあるのですからこれを利用しない手はありません。是非利用するべきだと私は考えます。
私は、そもそもビジネスパーソンは、普段から自分の考えや意見を文章化して人に読んでもらう、表明するという機会や訓練を普段からすべきだと思います。何年間も慣れ親しんだ職場の中で、日々のルーティン業務を行っているだけでは、自分でも気づかないうちに徐々に「思考能力」が低下してしまうものです。足腰の筋肉が日常生活を送っているだけでは、しだいに弱くなってしまうのと似ていると思います。
「思考能力」を維持向上させていくには、「筋トレ」が必要なのです。「思考能力」の「筋トレ」とは、自分の意見や考え方を、頭に汗をかきながら一生懸命に整理し文章化していくことです。特に管理職にあれば、普段は判断業務がメインになっているとすると、さらに思考能力低下のリスクは高まります。
同様に、成果主義の中で日々の担当業務だけに精を出している中堅社員にあっては、知らないうちに視野狭窄になってしまいかねません。私も経営コンサルタントとして、企業の方々とお話する機会が多いのですが、このあたりを気がつくことがあります。
今日の成果主義の中では、自分の担当業務こそが全てであり、他人の範疇は関係ないと、興味や関心を持つことから自然に遠ざかってしまう傾向がどうもあるように感じます。
自分の担当業務、担当分野に熱心に関心を持ち続けることはいいことです。やがて、その分野の「スペシャリスト」になり得るでしょう。しかし一方では、専門バカという言葉もあるように、それを何年も続けてしまうと、いつの間にか担当業務以外は興味関心が無くなり、思考停止状態に陥ってしまうこともあると思います。そうなってしまうと、本人も、それ以上成長することができません。非常に残念なことであると私は考えています。
一方で、今日は会社だけに頼っている時代では、もはや無くなっています。大手企業といえども社員を定年まで雇用していくという余裕は無くなっています。会社としては、優秀な社員は残ってほしいと考えるものです。
思考停止した社員、成長意欲に乏しい社員、向上心が不足している社員は、本音ベースでは会社に留まっていてほしくはないはずです。
それほど厳しい現実と未来が、ビジネスパーソンを待っていると考えるべきだと私は思います。
その意味で、日ごろから「自分の頭」でしっかり考える習慣、「思考能力」をつけていくことが、ますます重要になっている時代であると思います。
なぜなら、世の中はどんどん便利に簡単にという方向に流れているからです。AIの発達につれて以前は数日かかっていた資料やデータも、一瞬でプリンターから出てくるようになりました。また、「これはどういう意味だろう?」とか、「この分野は一体どうなっているのだろう?」と思えば、即Googleで検索すれば、あっという間に答えが出てきます。
つまり、自分の頭でじっくりと「思考」するというプロセスが無くなり、「検索」することで一足飛びに「答え」が出てきてしまう時代なのです。
今日のビジネスパーソンは、「自分の頭で考える」ということ自体が、なかなか難しくなっている時代でもあると私は考えています。自分の「脳」で「考える」という作業が希薄になりつつあると思います。恐ろしいことだと思います。
企業で、誰かが何かの戦略を考えようと思えば、ネット検索で関連するキーワードを入力してエンターを押せば、他人が作った戦略事例が無数に表示されてきます。それぞれの事例から「いいとこ取り」をしてくれば、あっという間に、自分で考えること無しで、それなりのレベルの戦略案ができてしまうのです。
時間の節約や生産性向上というメリットはあると思いますが、本来は自分の「脳」で一生懸命に考え、思考を重ねていく中で戦略立案能力が発達するものだと私は思います。キーワード検索を駆使して策定しただけの企業戦略案が、リアルな現場、混とんとした社会の中で機能するとはとても思えません。
ネットを活用し過ぎることは、文字通り「思考能力」の低下につながり、やがて「思考停止状態」に陥っていくのではないかと私は大変懸念しています。そして、そのような仕事のやり方をしているビジネスパーソンは、やがてAIに仕事を奪われていくのは至極当然の成り行きになっていくだろうと私は考えています。
これからのビジネス社会や世界は、ますます混とんとした状況に進展していくことが予想される中で、思考停止したビジネスパーソンを会社が定年まで雇用していくとは思えません。気がついた瞬間から対策を講じていくべきだと私は思います。いまやビジネスパーソンの喫緊の課題は「思考能力」を高めることにあると私は考えています。
では、自分がそうならないためにはどうすればいいのか? もちろん、それは自分の「思考能力」を高めていく努力をしていくことです。AIには無い、「生の脳」が思考した「人の知恵」が生み出せるビジネスパーソンになっていくことです。
もし、あなたがそのようなビジネスパーソンになることができれば、そうなっていないビジネスパーソンとの「決定的な差」になっていきます。つまり、発達したAIに使われる身ではなく、逆にAIの活用場面を考えたり、企業の戦略立案を根本から策定するような側へとまわることが可能になります。
では、普段から「思考能力」を磨いたり、「人の知恵」を生み出したりできるようにするためには何が必要でしょうか? それは自分の頭で考えた1文1文をつなぎ、1つのまとまりある文章に構成していくことです。私たちは、話すことは誰でも努力せずにできます。特段、まとめる必要もなく、ただ思いつくままに次々に話せばいいだけです。
しかし、文章となると違ってきます。他人様に理解していただき、できれば同意していただけるためには、頭で考えたことを言葉から文章にして、構成や順序を考えて練り上げていくことが必要になります。その過程で「考える」こと、「思考能力」が必要になるのです。
何事も訓練で確実に上達します。文章などは正にそれです。書くことを続けていくことで、どんどん上達していきます。自分でも知らない間に、ビジネスパーソンとして素晴らしい「思考能力」を持ち、誰もがうなるような「人の知恵」が湧き出てくるような「人材」になっていくことができるのです。
その意味では、大変都合がいいことに、現在は自分で考えた文章を、他人様に読んでもらえる「場」は、ネット上にたくさん用意されているのです。普段から、「思考」することが必要になるような環境や状況に、自分自身を置いていくということがポイントです。
そして、もっと言えば、万一の場合に備えておくということです。普段から「思考能力」を鍛えておけば、いざという時のリスクヘッジにもなり得るのです。転職も有利になるはずです。
さらに、リスクヘッジと観点からいうと、「稼ぐ力」を身につけておくことです。これからの日本企業には大きな変化が待ち受けています。現在のサラリーマンという立場、毎月お給料が入ってくるという安定した生活時間にあるときを、「自己投資」に使うなどして、将来想定される万一のリスクに備えておくことが大切であると私は思います。
普段はサラリーマンをしながら密かに「牙を研いでいく」のです。具体的には、「思考能力」や「発信力」を磨いていくことに注力するのです。今後、これらの能力がますます必要になることから「重要度」も高くなります。それは、企業の中でも大きな「差別化」として有利になることは間違いありません。
今や、サラリーマンも「没個性」から、自分の「強み」を表現し発信していくという「クリエイティブ能力」が必要な時代になっているのです。
本来、サラリーマンであっても発信することを通じて、思考能力を高めていくことが求められているのですが、会社によっては自由にできない環境下にあると思います。そのことを免罪符として最初から諦めているということがありませんか? 「仕方がない」と自分を甘やかしてはいないでしょうか?
以前、ある大手企業の人事部長と話をした時に、「彼は、入社時は非常に優秀であったのに、中堅社員になる頃にはごく普通の社員になってしまった・・」と話されていたことが、今でも強く記憶に残っています。
会社は、一生あなたを面倒みてはくれません。自分で自分の最低限の生活を維持していくために、普段からどうすればリスクヘッジになるのか、どんな準備が必要なのか、どんな自己投資をすべきなのかを考えておくことが、今の時代ますます重要になってきていると私は思います。
ですから、まず自分の考えや思っていることを、SNSのような「場」を通じて、「発信」していくことを始めてみませんか? 知らない誰かから「いいね!」が貰えると、とてもうれしいし、またほっとするものです。
そして、発信していくことを一歩踏み込んで、お勧めするのは「講師デビュー」されることです。なぜ、ビジネスパーソンが講師デビューすると良いのでしょうか? どんなメリットがあるのでしょうか?
それは、講師デビューするためには、まずテーマやネタを発見する必要があります。そのテーマやネタを発見しようとする過程で、自身のこれまでのビジネス経験や知識を「たな卸し」することになります。その「たな卸し」自体が、自分のこれまでの職業人生の振り返りとなり、自分の「強み」を発見し、また再認識する機会になるのです。
ご存知の通り、現在は毎日どこかでなにかのセミナーが数多く開催されています。しかも最近ではZoomセミナーが主流です。わざわざ会場を手配する必要もなく、在宅でできることから簡単に始めることができます。
これまでのビジネス経験のなかで培った知識でもいいですし、趣味の深堀りでも良いのです。自分が他人よりも詳しいということを、あなた自身が「講師」となって話をする場を是非つくってほしいと思います。
そして、このような活動をしていく中で「発信力」や「表現力」、「思考能力」は、ますます磨かれていくのだと思います。