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明転。舞台には机と椅子2脚。 カトウが現れる。いかにもストーリーテラーといった感じ。 カトウ とある青年の話。彼の青春は、普通といえば普通。だが、ある種、味気ないものだった。というのも、一番多感な時期にしかるべき経験をして来なかった。彼は童貞を捨て損ねていた。そもそもの起こりは高校時代だろう。同級生女子の「月々の事情」をイジリ倒してしまった結果、女子からの「異性としての対象価値」を失った。それからずるずると、彼は機を逃し続けてしまった。当時青かった己の過ちをそれ