#300 広がる多世代交流と学びの場
全国的に「まなび」をテーマにした取り組みが活発化している。
少子高齢化と切り離せない側面があると感じている。
個人や小さな組織ではできないことを、志ある人々の熱意によって、そこに人と企業が集まり、みんなの手で、プロセスの構築や、協働と学びの空間創造、知の共有を展開し、急速な広がりを見せている。
これまでいろいろな機会に共に手を携えて取り組んできた同志が大きな学びの拠点となる事業(PFI方式)の推進者になって動き出すことになった。
小中学生が放課後に学べる空間と機会も予定されている。
子どもたちが何かを体験しようとすると、何かとお金がかかってしまい、経験格差が広がっている現在、健常の子も、身体に障害がある子も、発達に課題がある子も、貧困や不登校の子も、格差なく多様な学びの場に参加できることで、未来の可能性は格段に広がる。
私自身も高校勤務時から、さまざまなイベントに関わり、時にはゲリラ的に、時には緻密に計画された中で、生徒と共に汗を流したり、取材活動をしたり、若者達の自由な発想と行動力に驚くことの連続だった。
高校生が報告会で言っていた「小さな思いがたくさん集まれば大きな思いになる」が、今まさに開花した感じだ。
この10年、あちらこちらで散発的に行われてきたことは、どれも小さな取り組みだった。
生徒達には辛い思いをさせた面があったことは否めない。
よいアイディアであっても、思いを理想的な形で言語化することと、それを戦略的にプロモーションし共感を得るためには、知恵とカネが必要だった。
行政から僅かな金銭的支援を受けたり、クラウドファンディングなどを活用し、歳月を重ねる中で小さな結果を出し続け信用を積み上げてきたことで、行政と企業が動き出してくれたのだと思う。
市民の参加はもとより、ここに大学生や高齢化社会の先頭を走る世代が生きがいをもってどう関われるかを考えてきたい。