はじめましてと会社の紹介
はじめまして
株式会社鈴甲子の鈴木雄一朗と申します。
五月人形の製造をする職人の会社で五代目(仮)として日々、こどもの日に向けた甲冑の製作を手掛けています。
(仮)としたのは、四代目である父から「名前?全然使っていいよ〜」と言われたので作家名の「鈴甲子雄山」の五代目を名乗ろうと思ったのですが、さすがにまだ一人前とは言えないなと、(仮)をつけることにしました。
自己紹介はどこかでちゃんとやろうかと思うので、まずは鈴甲子雄山という作家について、ちゃんとご紹介するところから始めようと思います。
五月人形を作る職人や会社は少なくありません。「どのようなデザインの五月人形を選ぶか」とともに、「どの職人・会社のものを子どもに贈るか」迷われることもあるでしょう。
そこで、工房の特徴や技術について自己紹介していきます。
ぜひ、五月人形選びの参考に、またこんなニッチな会社あるんだと興味を持っていただけたら幸いです。
歴史
創業100余年の甲冑工房・鈴甲子雄山。「すずきね ゆうざん」と読みます。
東京都の墨田区で、下町の職人だった初代「雄山」鈴木甲子八-きねはち-から始まり、脈々と知識や技術が受け継がれてきました。
鈴木甲子八から、鈴甲子雄山という名前は始まります。
雄山の雄は私にもついているのですが、二代目の正雄-まさお-の雄をとって雄山とつけたらしいです。
今から、40年ほど前には千葉県・鎌ヶ谷に工房を移転し、豊かな地でのびのびと五月人形の制作を行っています。
3つの特徴
現在、4代目が雄山を襲名し、15名ほどの従業員で日々甲冑の製作を行っています。そんな鈴甲子の作品には、3つの特徴があります。
再現性の高さ
最も特徴的な点は、本物の甲冑を再現できる技術を持つ点です。これまで数々作り上げてきましたが、作品例として、赤糸威大鎧(御嶽神社所蔵)や、赤糸威胴丸鎧(大山祇神社所蔵)などが挙げられます。
弊社のショールームに展示もしているので、ぜひご覧ください^^
これらは、縫い目の長さや糸の太さに至るまで実物の寸法・素材で製作しており、まさしく、当時の甲冑の美しさを味わうことができる作品です。
こうした実物を製作することで、それぞれのパーツの意味や機能を理解した上で五月人形に反映することで、甲冑としての再現度の高い、こだわりの詰まった作品が出来上がります。
我々の作品のうちで、その最たるものが「1/5 国宝鎧シリーズ」です。4つの国宝を1/5のサイズで再現しており、甲冑としての機能をできる限り備えた作品です。
幅の広い技術の引き出し
甲冑の製作は古代からずっと、さまざまな専門の職人とのつながりが重要です。
そこには漆の技術、革の技術、鍛金・彫金の技術・・・と、膨大な技術の組み合わせがあります。
一人で全てを組み上げるのではなく、職人たちのディレクションをして、一つの作品にまとめ上げるのが甲冑師の仕事です。
そのため、引き出しの多さが甲冑師としての技量の一つと言えるでしょう。
鈴甲子は古代のそうした技術だけでなく、現代の技術職人の引き出しも用いることで、よりユニークな作品を生み出す試みをしています。
例えば、靴職人の技術。革靴を作る職人の技術を甲冑に応用することで、一味違った現代的な作品が出来上がります。
例えば、下の写真の作品は、牛革とステッチ加工によって西洋風のイメージにデザインした「タンゴ侍 茶丸」という作品です。
独創的な作品を作る
職人の中にはさまざまなタイプの人がいます。コツコツと地道に今ある仕事に没頭するタイプ、いろんな仕事に興味があって知識や技術を広げるのが好きなタイプ、思いついたものを形にしたいタイプ
など個性を上げたらキリがないですが、そんな中でも弊社の職人はバランスよくいろんな個性を持った職人が働いています。
すると、パッと思いついた人がアイデアを出して、ちょっと形にしてみようと始まって、あれよあれよとプロトタイプができてと、すごくいいサイクルが回っている工房です。
そのため、五月人形に関わらず作りたいと思ったものを作ってみようというのを大切にしています。それが、のちに五月人形の新商品開発のヒントになっていたりするわけです。
例えば、バイクや汽車、飛行機が大好きな職人は、自分でいろんな乗り物を作って工房に持ってきます。じゃあ、そこに人形を乗せてみようじゃないかと始まったのが、壹三「ライダーシリーズ」です。
さまざまなアイデアとそれを形にする技術が融合して、独創的な作品たちが生まれてきています。
3つのブランド
鈴甲子には3つのブランドラインがありまして、それぞれの違いを簡単にご紹介します。
鈴甲子雄山
最も定番となる作品群です。
通常の鎧・兜、国宝や戦国武将の模写、デザインに特化したシリーズなど、鈴甲子の作品の多くは、こちらの雄山のブランドを冠した作品になります。
平安道斎
雄山と比較して、素材や技術をより伝統的で高貴なものに変えた作品郡です。
技術面で言うならば、雄山では通常の塗装や鍍金-めっき-で色を表現するところを、道斎のシリーズでは黒は漆を、金は金箔を用いることで、より雅な作品に仕立てています。
壹三
四代目雄山の立ち上げたブランドで、大将人形の作品群です。
人形を作る技術は四代目より始まり、壹三と言う別の名前がつけられました。
人形というと怖いというイメージがある方もいるかと思いますが、壹三の人形は幼い子供がかっこいいポーズを決める、愛おしく勇ましい作品をコンセプトに製作しています。
まとめ
今回は、鈴甲子のこれまでと、特徴についてご紹介しました。
これからは、甲冑の話や商品の開発秘話、今取り組んでいることなど、いろんなことを話せたらいいなと思っています。
公式HPはこちら
以上。
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