「うれしい」「たのしい」「おもしろい」は禁句!!
子どもが教える学校、校長の鈴木深雪です。5期の子ども先生達と、授業に向けた準備の3週間が始まりました!
今日はこれまで60人近くの子ども先生と授業準備をする中で見えてきた「子ども達あるある」についてお届けしたいと思います。
それは何を聞いても「おもしろい」「たのしい」「うれしい」というフレーズしか出てこない現象!名づけてオウム現象・・w
このゲームの好きなところは? → おもしろいから
このテーマを選んだ理由は? → だってたのしいんだもん
話してみてどうだった? → うれしかった
みんなが感じている心の機微は、そんな3ワードで集約できるほど単純じゃないんだよ!!!!!
おいっつ!!!!「おもしろい」「たのしい」「うれしい」は禁句ー!!!!
ちょうどいい写真があった 笑
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1:「おもしろい」「たのしい」「うれしい」の先にあるもの
子ども達の普段の日記もそうですよね。おもしろかったです。たのしかったです。というお決まりのフレーズのオンパレード!
どこが?どんな風に?なんで?と問いかけても、いまいちそれ以上の言葉が出てこない、そんな経験があるご家庭も多いのではないでしょうか。
子ども達の中にある「好き」や「好奇心」「興味」といった気持ち、それらがこの3つのパワーワードにさえぎられて、表現できていないのを見て、私はいつももどかしく感じます。
これらはパワーワードですから、便利なのですよ。ある程度伝えたいニュアンスも手軽に伝えられるのですよ。
しかし、みんなの心の奥には、こんな3つの言葉では表しきれない、ひとりひとり違った熱い源泉のような思いがある、それが分厚い岩盤でさえぎられています。
3週間、子ども達と会話を重ねながら、この岩盤をたたき割り、源泉をつかみにいく作業を子ども達と一緒にしているわけです。子ども達には自分だけの心からの言葉「自分言葉」で話そう!と伝えています。
みんなオウムを脱却しよう!笑
2:子ども達がオウムになる2つの理由
子ども達がオウムになってしまうには2つの理由があります。
理由1:語彙力(表現力)
子ども達の知っている言葉はまだ多くありません。そのため、心の中でいろいろ感じていても、それらを表わす適切な表現の言葉を知らない、というのが理由のひとつです。
理由2:自分の思いや考えを感じきる力(センサリング)
そしてもうひとつは、うれしい・たのしい・おもしろいという便利な言葉に頼りすぎて、その奥にある思いや考えを感じ切れていないのが、もうひとつの理由です。また日常の中では、自分の思いや考えを感じきる必要性がない、というのもひとつの理由だと思います。
で、多くの方は子ども達の「語彙力の問題」だと思われるんじゃないかしら??
以前、子ども先生の保護者の方が、お子さんに語彙力を伸ばすために「新しい言葉の一覧表」を見せている、とお話していました。確かに、言葉を「知識」として手に入れることも必要でしょう。でも、実際は「思いや考え」を表現するツールとして「言葉」はあるものです。
自分の中にある思いや考えを感じる「センサーの育成」と、それを言葉で表す「表現力の育成」は私は両輪のように同時に伸ばしていくものだと考えています。だからどっちが先かと言えば、私はセンサーの育成の方がとにかく大事!
その上で、心の中に漠然と存在した思いや考えを言葉にして「見える形」「伝わる形」とらえていく。
感じ考える → 言葉にする → そこからさらに感じ考える
この繰り返しがあって初めて「うれしい」「たのしい」「おもしろい」の先にあるものが言葉に紡がれるのだと感じます。
3:大人が子ども達にできること
では、こうやって子ども達の「自分言葉」を導くために大人である私たちに必要なこととは?
子ども達に「うれしい」「たのしい」「おもしろい」という言葉以上で語る場面を作ってあげることが大事です。それは大人が興味・関心を持って、子ども達の話に耳を傾ける場です。
子ども達の思いや考えを本当に理解しようとしたら、上の3つのパワーワードでは絶対に事足らないわけですから。
できること1:とにかく聞く
子ども達が好きなこと、興味・好奇心を持っていることについて、「関心を持って聞く」というのがとにかく大事です。
子ども達は「具体的な質問」に答える方が得意です。
・一番好きなポイントは?
・最初にそれと出会ったのはいつだっけ?
・どうやって遊ぶの?
そうやって5W1Hの視点でたずねていきます。詰問・尋問にならないように注意!
できること2:出てきた自分言葉をオウム返し
話を進めていくうちに、うれしい・たのしい以外の自分言葉が出てくる瞬間があります。
言葉って、相手との会話のラリーの中のほうが、よりつむぎだされることがあります。そうやって子ども達から出てきた言葉を「その表現いいねー!」ってオウム返ししてあげましょう。
きっと、あ、こんな風に感じてたんだなって子ども達にも新たな発見が見つかるはずです。
できること3:出てきた気持ちを要約してあげる
会話の中で出てきた、子ども達の気持ちを要約してあげるのも、とってもいいと思います。
「こんなところが好きで、だからこんな風に感じているんだねー」と、実際に子ども達が使った言葉を使いながら、まとめてあげると、子ども達はより自分の考えや思いを「言葉や文章」という形で認識します。
そして、大事なのは大人である私たち自身も子ども達の話に「自分言葉」で語り掛ける事。
「〇〇くんの話、たのしかったー!」「おもしろかったー!」という表層の表現ではなく、ぜひその奥にある感じたこと、考えたことを言葉にしてみることが大事です。
結構、やってみると難しいなぁって感じますよ。
4:大人自身も心がけるべきこと
最後に・・
子ども達に自分言葉で話そう、と言っているメッセージは、大人である私自身にも実はブーメランのように戻ってきます・・
例えば
映画を見た後、面白かった、感動した、考えさせられた、そんな一言で逃げていませんか?笑 映画の感想サイトで、自分の共感する感想を探して満足していませんか?笑 (私はどちらもついやってしまいます・・汗)
自分の感じたこと、考えていることを言葉にするって、実際は「めんどくさいもの」なのですよ。誰かのいい塩梅の表現を借りてきた方が「どれだけ楽か」!!!
でもね、人生って「他でもない自分の」好きなもの、感じているもの、やりたいこと、成し得たいことに、舵を切り進んでいく方が幸せに決まっています。
だったら、ちょっとめんどくさくても、やっぱり自分が「何に」「どんな時に」「どうやったら」幸せに感じるのかを言葉にしなくちゃ、人生の中で「何をなしえ」「どんな人との関係を築き」「どんな風に日々を過ごしたいか」をやっぱり言葉にしなくちゃって思います。
子ども達にもそういう力を身に着けて欲しいなって思います。
まずは、自分が今大好きなもの、夢中になっているもの、それらを「自分の言葉」で表現するところから。
そうやって身近なものを表現した先に、自分の人生や主張の目指す方向性も言葉にできるようになるのだと思います。
というわけで、うちの子「うれしい」「たのしい」「おもしろい」を多用しちゃっているー!!という子はぜひ「プレゼンテーション講座」にまずは送り出してください!!
私がしっかりとお子さんの言葉を受け止めて、奥にある思いを言葉にするところをサポートします!!!
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