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アタッチメントを学んでみて H18

支援学級での担任経験があります。だからなのか今では経験を生かせるような担当を任せてもらっています。支援に関わるさまざまな方と話をする機会が増えている中、とあることで気になっていることがあります。

「通常学級の先生方は、支援を必要とする子どもへの見方を学んでほしい」

関わる職員さん、支援員さんも、同じことを言うから衝撃的でした。学級の先生たちが全く子どもたちのことを考えていないわけではないと思いますが、どちらかと言えば、私も前の意見に同じ気持ちです。

「障害が原因だからね。この問題は仕方ないよね」
「発達障害には、もっと人がいないと対応できないよ」
「あの問題は、愛着障害が原因でしょう。保護者にどうにかしてもらわないと」


大変なのはわかっていますが、こんな風に簡単に言い捨ててはいけないのではと思うのです。「まだあなたは何もしてない」このように思われるように、気掛かりなことに向き合わず、対策を練ろうとしない時期が私にもありました。
改めて考えてみると、先生や支援員さんだけではなく、保護者も、子どもたち本人もみんな困っているのです。そして、徐々にエネルギーが無くなっていきます。結果、「何もできない」に向かっているような感じなのです。

まず「子どもの「安心の基地」になれているか再確認しましょう」

『アタッチメントがわかる本 「愛着」が心の力を育む』遠藤俊彦,講談社

「子どもたちは、怖くて不安なときに身近な特定の人にくっつこうとします。「もう大丈夫」と安心感に浸るためです。このことをアタッチメントと言います。」
「このアタッチメントが、人生の全ての時期でずっと重要なものとしてあり続けていきます。しかし、小学校に上がるにつれて、保護者や教育者との身体的なくっつきが減っていきます。」
「これは、これまでと代わって相談役としての身近な役割を担うことを意味します。そして、保育者とのアタッチメントが良好であることによって、その後の他者との関係作りに良い影響を与えます。これによって、心の力が育ちやすくなります。」

子どもたちのアタッチメントを形成するためには、保護者や教師、支援員など立場が異なっていても、これらの共通点として「子どもの安心基地」になることが重要であることに間違いはないと思います。

そして、「基本的信頼感」が必要です

『ほめると子どもはダメになる』にて榎本さんがアタッチメント形成の必要性について説明をしています。

「自分は愛される価値があると認識できることで、保護者や教育者からの「叱る」ことが機能してくる。」
「だからこそ、子供が幼い頃からの親子間のアタッチメント形成が重要なのです。子どもにとっての安全基地になるということは、情緒的な絆を築くことです。これは、日本人流の子育てだと言えます。」

どんな人でも、「安全な基地」を獲得するには心理的に安全だなと思える環境が必要だということです。いろんな形で甘えを出してくる子どもたち、その時の行動だけで問題解決の方法を判断せず、行動の向こう側にあるものを見ようとしてあげるべきなんだと再確認しました。
(ですが、子どもの甘えをどこまで受け入れるかは、見極めが必要だと言うことです)

共感的な関わりを目指して

結論「みんなで子どもを見守っていこうよ」がキーワードになると思います。
困っている子どもがいたとして、誰か大人の人が強力な技を使うことで、解決するわけではないことは、誰もが分かっていると思います。なので、子どもの行動に多くの目をかけてやりつつ、この時の気持ちに肯定的に寄り添えるといいなあと思います。
例えば、子どもが泣いたり怒ったりしている時には、このネガティブな感情を言葉にしてやることが一つの寄り添い方です。
共感的な関わりを心掛けることで、「この人に助けてもらおう」「この人を頼れば安心できる」といった気持ちを子どもたちにもってもらうことができそうです。

まず大人が余裕を取り戻そう。そして、子どもを守れるチームになろう。

「絶対に、子育てで直面する問題を一人だけで請け負わないようにしましょう」と言っていこうと思いました。ひとりぼっちになり、抱え込まないためにも、保護者と教員、支援員、その他の大人とチームになりましょう。その方が、大人たちにとってとても安心できると思います。

おわりに

これまで、子どものアタッチメント形成について学んだことを書いてきましたが、私たち大人に対しても同じことが言えるようです。そもそも大人たちは、アタッチメントの対象が親から友人や恋人、そして配偶者へと変化していきます。

(ちなみに、恋人との真のアタッチメント形成に至るまで二年ほどかかるようです。これは、結婚前に同棲する件を肯定する重要な要素になりそうですね)

夫婦関係を良くしていくコツを学ぶ機会があったので、次回の投稿でこれについて話をしていこうと思います。

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