やんばるをおとずれて②
縁もゆかりもなく、さらに高齢化率の高い地域に入り込み、信頼を得て、一方通行でない関係を築くことの追体験
そもそものやんばるとの関わりは、センシングデバイスをやんばるのシニア宅に設置し、見守りサービスを利用してもらうという事業をMIKAWAYA21が担ったことから始まる。
抜群の機器ができたので、これがあれば安心ですよね。ぜひ使いませんか?という取り組みだが、こうした機能を探していたシニアにとっては朗報でも、大多数にとっては何のことか分からないし、いきなり見守ると言われても・・というのが当たり前の反応だ。
内地から来たばかりのよそ者は、距離を置いて見られるところから始まる。案の定、設置には苦戦する。しかし責任者は諦めなかった。とにかく人と会い、話をする以上に話を聞き、できることからお手伝いを始めた。共同売店の商品の陳列や、公民館の花壇の植え替え。中でも与那では、大城区長推しの山野草を扱うマルシェを企画し、イベントを大成功させた。ご縁を手繰り寄せ、著名な専門家を招待したのには、みんな驚いた。
(余談だが、成功するために変えるべき自らの行動の最上位は、ダメ元で連絡してみることだそうだ。チャンスを掴むのはたいていこの差だという研究結果もある)
役割を担うことで、ひとは居場所を手に入れることができる。こうした大小の関わりや役割を果たすことで、信頼を築き、今度はたくさんの助けや紹介をいただき、結果的に当初の設置目標を達成した。
仕事を超えた人間関係がそこにはあった。やんばるでは、特別なランチメニュー、三線のおもてなし、秘密の場所への案内、申し訳ないほどのおせっかい・・・そこにあるのは、互いが巻き込み、巻き込まれた、心地よい関係性の循環。そして次は、京都とやんばるの循環がはじまります。
特別な体験や出来事は決して幸運や偶然がもたらすわけではなく、まごころを込めて関係性の一歩を踏み出すことの大切さを、やんばるで再認識することができた。この機会に、感謝です。