鈴木ケイタ@国際関係アナリスト、元外交官、海外赴任アドバイザー、社会起業家見習い

外交官としてフランス語圏に8年間駐在した経験に基づき、国際関係についての分析を配信! …

鈴木ケイタ@国際関係アナリスト、元外交官、海外赴任アドバイザー、社会起業家見習い

外交官としてフランス語圏に8年間駐在した経験に基づき、国際関係についての分析を配信! また、日本一詳しい海外赴任情報を発信する「鈴木ケイタスクール」を運営! 詳しくはhttps://suzukikeita-school.com/をご覧ください! お気軽にお問い合わせくださいね。

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日本で唯一の国際法に関するメンバーシップです!多くの日本の有識者、大学教授、研究者らは、はっきり言って国際法を全く理解していません。彼らは適当に「国際法」という単語を使い、あたかも「自分は国際法を知っているぞ!」というイメージを作っています。国際法を知らない有識者が適当なことを言うために、一般国民の国際法に対する理解も進みません。だから、国際法を熟知した中国に攻め込まれるんですよ!このような危機感から、多くの読者の方に国際法のことを分かりやすく、そして少し面白く伝えていきたいと思います!

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国連海洋法条約違反ってどういうこと?海洋紛争の解決手段について徹底解説!

 本年6月、中国の海洋調査船が沖ノ鳥島周辺の日本の大陸棚に位置する「公海上の海域」に浮標(ブイ)を設置したことが明らかになりました。本事案を受けて、日本国内の多くの識者が「これは国連海洋法条約違反だ!」と声を上げました(本事案に対する私の分析はこちらです)。  しかし、「国連海洋法条約に違反したらどうなるの?」、「日本国内みたいに、日本と中国が裁判でケリをつけるの?」という疑問点を挙げる人は1人もいませんでした。恐らく、日本の「有識者」と呼ばれる人たちは、「国連海洋法条約上

    • 中国軍艦による口永良部島付近の領海侵入の隠された目的とは?

       8月31日(土)、防衛省は中国海軍シュパン級測量艦1隻が同日朝、鹿児島県沖の口永良部島南西の我が国領海に侵入したと発表しました。本件に関して、多くのメディアが中国軍の狙いについて、以下のように報じています。 測量艦は海底の地形や水深、海水温などを調べることができ、中国軍は潜水艦の運用に役立てるため、こうした情報を収集している可能性もある(参照:NHK記事「中国海軍の測量艦 鹿児島県沖 日本の領海内に一時侵入 防衛省(2024年8月31日付)」。 (先日の「男女群島への中

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           日本固有の領土である沖縄県尖閣諸島に、中国海警局などの船が日本の領海に侵入する事案が後を絶ちません。実際、先月(2024年7月)も中国の公船が尖閣諸島の領海内に進入し、日本の海上保安本部が同船に対し、領海内に入らないように警告と監視を行いました。 尖閣沖 領海侵入の中国海警局の船3隻 42時間余航行し領海出る (NHKニュース) 中国船2隻の領海「侵入」に厳重抗議、すでに退去=官房長官(ロイター) 沖縄 尖閣沖 中国海警局の船1隻が日本の領海侵入 海保が警告(NHKニ

          ベトナム人犯罪者増の知らせざる背景と日本の移民受け入れの是非

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          【中国ブイ設置問題】門倉貴史氏のコメントへの反論

           7月5日(金)、林官房長官が記者会見の場で、中国の海洋調査船が本年6月、沖ノ鳥島周辺の日本の大陸棚に位置する公海上の海域に浮標(ブイ)を設置したことを明らかにしました。  「専門家」や「エキスパート」と呼ばれる方々が、本件に対して、適当にコメントをしているのを見て、「外務省と一部の学者以外は、国際法(本件の場合は国連海洋法条約)を全く理解していない。」と怒りを覚えたため、以下のような解説記事を作りました。 【解説記事】 中国が沖ノ鳥島周辺の公海上にブイを設置した真の目的

          中国が沖ノ鳥島周辺の公海上にブイを設置した真の目的は?

           7月5日(金)、林官房長官が記者会見の場で、中国の海洋調査船が本年6月、沖ノ鳥島周辺の日本の大陸棚に位置する公海上の海域に浮標(ブイ)を設置したことを明らかにしました。  読売新聞の報道によると、「向陽紅22」と呼ばれる中国の大型作業船が先月5日に上海を出港し、東シナ海から大隅海峡(鹿児島県)を通過して太平洋に出た後、本年6月中旬、四国海盆海域内でブイを設置したとのことです。具体的なブイの設置場所は以下の画像の赤斜線部分です。  中国側によるブイの設置に関して、林官房長

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           2024年7月7日(日)の七夕の日にフランスでは、国民議会選挙の決選投票が行われました。結果は、左派連合1位、与党連合2位、国民連合と連携勢力が3位という予想外のものとなりました。  共和国戦線 (le front républicain)と呼ばれた「決選投票で極右候補の当選を阻止するため、極右政党以外の候補者に票を結集させる選挙戦術」が功を奏した結果となりました。  しかし、今回の国民議会選挙の結果が2027年に予定されているフランス大統領選挙に大きな影響を与える可能

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