はじめに|手書き文字の価値
―話すこと
ヒトは生まれると同時に産声という声を発します。
その後、喉や声帯を使って色々な音を発しながら少しずつ複雑な音を出せるようになります。1歳~1歳半頃に、何となく意味が通じる言葉(有意味語)になってきます。
ここから2語文、3語文と増えて、言葉の表現が広がっていきます。
―言葉
言葉とはモノの名称や状態・事象等の目に見えるものから、情報や気持ちなど目に見えないものまで、話すことを通して伝え合うもの
―文字
そして文字とは言葉や情報などを表記するために社会習慣として用いられる記号(媒体)です。
文字は今、筆記具を使用して人が書くもの「手書き文字」と、パソコンやスマホなどのデジタル機器を使用して入力する「デジタル文字」があります。
―文字を打つ―デジタル文字
デジタル文字は、その可読性や生産スピード、複製・修正のしやすさなどから、多くの情報を早く広く共有することができ、現代社会においてはなくてはならないものです。
―文字を書く―手書き文字
「書くこと」は古来からなされてきた日本の伝統的教育の一つでもあります。
これは単純に読み書きを習うということだけではなく、意味内容を学び、その過程で道徳修養や社会規範も学んでいく総合学習でした。
起筆運筆収筆からとめはねはらい、折れ、閉じる開けるなどを繰り返し練習する――「文字を書く」という教育は真面目で規律正しい日本人の国民性を作り上げていったものの一つだったのではないかと思います。
デジタル文字は利便性、手書き文字は心
「文字は打つ時代」
「これからは字をキレイに書けるようになる必要はない」
「字は読めれば良い」
という声が聞こえてくることもあります。
デジタル化が進み、文字を書く機会は減りました。
だからこそ手書き文字の価値を再認識しています。