なぜ家づくりに"庭の視点"が必要なのか?

庭づくりの仕事を通して、いつも思うことがあります。
家づくりを考えるとき、もっと「庭」も含めて考えてほしい、ということです。
"家と庭はひとつのもの"
この視点がとても重要なのです。
家とは、建物だけを指すものではありません。
建物とその周りの土地、庭やエントランス、駐車場、外構も含めて、すべてが「家」なのです。
でも、残念ながら今、多くの家づくりではその大切な部分が見過ごされてしまっています。

庭に木が一本も植えられない家。
周囲はコンクリートで囲まれ、人工芝が敷かれただけの空間。
そんな風景が増えているのは、決して住む人のせいではありません。
家を売る側、建てる側が「庭」の価値を伝えられていないから。
そして、庭があることで感じるかもしれない不安—
「手入れが大変そう」「落ち葉が面倒」「虫が出るかも」
そんなマイナスイメージだけが先行してしまっているのです。

けれど、木があることで生まれる心地よさや、四季の移ろいを感じる豊かさ。
土や自然素材がもたらす温もりや、家族との思い出が刻まれる時間。
それはコンクリートや人工芝だけでは得られない、かけがえのないものです。

「家づくり」は、「建物づくり」ではありません。
建物と庭、そこに暮らす人々の生活が一つにつながって、初めて「本当に良い家」になるのです。

私たち造園屋は、もう一度この大切なことを伝えていかなければならないと感じています。
これから家を建てる人、家を売る人、設計する人、みんなに知ってもらいたい。
庭は決してオプションではなく、暮らしを豊かにするための「必然」です。

家と庭と、日々の暮らし。
それらが自然とつながる、心地よい住まいづくりのために。
suzuki gardenは、庭の価値とトータルデザインの大切さをこれからも発信していきます。






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