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ライブハウスで、ロックバンドと。

大学生になって初めて、下北沢のライブハウスへ足を運んだ。ずっと、憧れだったライブハウス。zeppとは違う高揚感。ぎりぎりまで行くかどうか悩んでしまったので、チケットを買った人の中では最後の整理番号で、私の後ろからは招待された人だった。「どのバンドがお目当てですか」「全部です」「ありがとうございます」。右側がもぎとられたチケットを受け取る。

あぁ、これが、ずっと見たかった景色。

最前列は埋まってしまっていて、二列目の左側にそっと立つ。
一組目のバンドがはじまる。音が鳴る。心臓に響く。観客の手が挙がる。
ふと、Youtube のコメント欄を思い出す。「2023年も聞いている人いますか?」。コメントするくらいならライブに来ればいいのに。周りはみんな大好きな音楽を同じ瞬間に聴いている。今が最高に楽しい。

暗くなる。拍手が終わる。一組目のライブが終わった。
少し明るくなって、さっきのメンバーが楽器を片付けに来る。
私の前で見ていた人が、後ろに行ってしまった。前が空く。思いがけない最前列。私史上初のいちばん前。
しばらくして、次のバンドのメンバーが登場。楽器のセッティングをする。
一度戻る。暗くなる。拍手が始まる。

二組目のバンドが入場する。メンバーそろって楽器の色と合わせたセットアップを着ている。SEが終わり、曲が始まる。初めて聞く曲だった。大きな音のはずなのに、静かで、心地よかった。つづいて始まるセッション。聞いたことのあるメロディーへと移り変わっていく。思わず手が挙がる。目が合った、と思ってしまったのは今日は良しとしよう。

余韻に浸っている間につぎのバンドが準備を始めている。

最後のバンドが入場する。音出しのカエルの歌がかわいい。そのままリハーサルが始まり、流れるように本番へ。定番の一曲から新曲まで「今」と「未来」を感じられるセットリストに安心してしまう。このバンドはどこまで進んでいくのだろう。ずっとバンドを続けてほしいと思ってしまう。

今日の分のライブハウス体験が終わった。耳鳴りすら愛おしく感じられる。また明日からは、イヤホンから流れる音楽がBGMになる毎日だ。
明日は何を聴こうかな。いや、耳鳴りが収まるまでは、余韻のなかで。