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スケジュールはなぜ作られないのか?必ず作るべき理由

EMをやられている須藤さんのnoteを読んだ。

この中にあるように、忙しさにかまけて「とにかく作業を進める」あまり、良くない方向に進み続けてしまうことがあるだろう。つまり、一度立ち止まることが非常に重要なのだ。当然スケジュールを見直す必要があるときもあるだろう。。。

さて、自分はスケジュールはつくられるべきだと考えている。マイルストーンを定義しある程度のスケジュールおよびロードマップを定義すべきだ。しかし、実際には作られなかったり、作られたものの運用がされなかったりする。もちろん、自身がプロジェクトを率いている際にもそういうシーンが出てくることはある。今回は、その背景にある理由と、スケジュール作成の重要性について考えてみたい。

※大分長くなったので、まとめから読んでもらって良いかもしれない。


スケジュールが作られない・メンテされない理由

まずはスケジュールが作られないまたはメンテされない理由にどのようなものがあるかを考えてみたい。

1. スケジュールの遅延

  • 遅延の悪循環

    • 作ったスケジュールが遅延すると、計画通りのタスク管理が難しくなる。作業が後倒しになり、更新する時間すら取れなくなる。

    • 現場では「今ある仕事を終わらせること」が最優先となり、計画の見直しや更新が後回しにされがち。

  • 優先順位の混乱

    • 遅延が続くと、どのタスクを優先すべきかが不明瞭になり、結果としてスケジュール自体が放置される。

    • 忙しさに追われ、計画修正の時間が確保できないため、さらなる遅延が生じる悪循環が発生する。

2. タスクの洗い出し不足

  • タスクの不完全な把握

    • 全体の作業項目が明確に定義されず、スケジュールの骨組みが不十分になる。何が足りなかったのかが曖昧なため、計画の修正が困難となる。

    • プロジェクト開始時にタスクを正確に把握できず、細分化が不十分なために予定が大幅に変動してしまう。

    • 初期の見積もりに甘さがあると、実際の作業進捗に合わせた計画更新が行われず、運用が破綻しやすくなる。

3. 追加タスクの頻発

  • 計画外のタスクの投入

    • 予期せぬタスクや急な依頼が次々と発生し、元のスケジュールに組み込む余裕がなくなる。追加分が無秩序に入り込み、全体のバランスが崩れる。

    • プロジェクト進行中に新たな要件や変更が発生するのは当然だが、それらを反映する仕組みが整備されていないと、スケジュールの再構築が後手に回る。

    • 事前に余裕時間やバッファを設定していないと、突発的な変更対応に追われてしまう。

4. 体制変更が影響する場合

  • 組織・チーム体制の変動

    • メンバーの交代や役割変更、経営方針の変化などにより、既存のスケジュールが現実と乖離する。新体制に合わせた再計画が必要となるが、他の業務が優先され更新が疎かになる。

    • 体制変更はプロジェクトの成長過程で避けられないが、そのたびにスケジュールの見直しを行う仕組みがなければ全体の流れが乱れる。

5. 不具合や予期せぬ問題の大量発生

  • 問題対応に追われる状況

    • システムやプロジェクトで不具合が多発すると、その対応にリソースが吸い取られ、計画の更新が後回しにされる。一度発生した問題が原因で、予定どおりの進捗が難しくなる。

    • 不具合は予測不能な部分が多く、問題解決に追われる中で、計画通りに物事を進めることが困難となる。

    • 余裕を持ったスケジュール設計や、緊急対応計画が十分に組み込まれていない場合、対応が追いつかなくなる。


スケジュール作成の必要性と、作成されない場合に起こる課題・リスク

ここまででスケジュールが作られなかったりメンテされない原因に焦点あてた。ここからはスケジュール作成が行われない場合に起きる課題やリスクについて深掘ってみる。

1. 進捗管理の不透明さ

  • 計画進捗の把握困難
    スケジュールが存在しなければ、どの作業がどの段階にあるのか、どこに遅れが出ているのかが明確にならない。これにより、進捗状況のモニタリングや調整が難しくなる。

  • 期限遵守の不確実性
    スケジュールがなければ、納期やマイルストーンが曖昧になり、プロジェクト全体の完了時期が見えなくなる。結果として、納期遅延や品質低下のリスクが増大する。

2. リスク管理の失敗

  • 予測不能な問題への対応不足
    スケジュールはリスクや問題が発生した際の対応計画(バッファや緊急対策)を盛り込むための重要なツールである。スケジュールがなければ、突発的な問題が発生した時の対応が後手に回り、結果的に問題が拡大する恐れがある。

  • リスクの見える化の欠如
    スケジュール作成を通じて、潜在的なリスクや課題を洗い出し、事前に対策を講じることができる。しかし、計画がないとリスクが見えづらく、問題発生時に迅速かつ的確な対策が取りづらくなる。

3. コミュニケーションの混乱

  • 情報共有の不足
    スケジュールはチーム内での共通認識を形成するための基盤となる。計画が整備されていなければ、各メンバーがどのタスクに取り組むべきか、また全体の進捗がどうなっているかが共有されず、結果としてコミュニケーション不足や認識のズレが発生する。

  • 意思決定の遅れ
    スケジュールがないと、どのタイミングで見直しや調整が必要なのかが不明瞭になり、意思決定が先送りにされることが多くなる。これにより、組織全体の柔軟な対応が阻害される。

4. プロジェクト全体の信頼性低下

  • 外部ステークホルダーとの関係悪化
    スケジュールが明確でないと、クライアントやパートナーからの信頼を失い、プロジェクトの信用が低下するリスクがある。結果として、ビジネスチャンスの損失につながる可能性が高い。

  • 内部評価の低下
    チーム内でスケジュールが管理されていないと、各メンバーの業務遂行が曖昧になり、成果が正当に評価されず、士気の低下や人材流出のリスクが高まる。

5. 経済的・時間的コストの増大

  • 非効率な作業プロセス
     計画がなければ、作業の重複や無駄な手戻りが発生しやすくなる。これにより、リソースの無駄遣いや追加コストが発生し、経済的負担が増加する。

  • 再計画のコスト
     スケジュールが整備されていない場合、問題が発生してから都度再計画を行う必要があり、そのたびに時間と労力が割かれてしまう。初期段階で計画を立て、定期的に見直すことで、こうしたコストを抑えることができる。

このように、スケジュール作成が行われないことは、プロジェクト管理、リスク対応、コミュニケーション、信頼性、そして経済的コストに至るまで多方面に悪影響を及ぼす。だからこそ、たとえ初期見積もりが不完全でも、まずはスケジュールを立て、柔軟にアップデートしていくことが不可欠である。


まとめ

スケジュールがないというのは、単なる計画不足に留まらず、プロジェクト全体に大きな影響を及ぼす問題の根源となる。まず、進捗管理が不透明になることで、どの作業がどの段階にあるのか、どこで遅延が発生しているのかが把握できなくなり、結果として納期遅延や品質低下を招く可能性が高まるのだ。

また、計画が整備されていないと、突発的な不具合や予期せぬ問題が発生した際の対応が後手に回り、問題が拡大するリスクがある。これは、リスク管理の失敗につながり、最終的にはプロジェクト全体の信頼性を損ねる要因となる。さらに、チーム内で共通の認識が形成されないため、情報共有が滞り、コミュニケーション不足による意思決定の遅れが生じる。これが、内外のステークホルダーとの信頼関係にも悪影響を及ぼす。

そして、経済的・時間的なコストにも大きな影響がある。計画がないために、作業の重複や無駄な手戻りが発生しやすくなり、再計画を行うたびに余分なリソースが消費される。たとえ完璧な見積もりがなくても、まずは基本的なスケジュールを作成し、現実の状況に合わせて柔軟に修正・アップデートしていくことが、無駄なコストを削減し、効率的なプロジェクト運営を実現するために不可欠である。

何か問題が起きたときは一度立ち止まり、計画の見直しと改善に取り組むべきだ。しっかりとしたスケジュール作成は、プロジェクト成功の鍵となるだけでなく、将来的なトラブルやリスクを未然に防ぐための最も効果的な手段であると言える。

ここでも記載したが、しっかり計画をつくって不測の事態に備えるようにしたい。

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