コピー用紙のおはなし(寸法&厚さ編)
紙をカタチに切るシゴトをしている すずきです。
note記事の二回目。
さて、紙とひとくちにいっても、実にさまざまな種類がありますよね。
そこで、今回は一般の社会人にとって一番身近かな?と思われ、なおかつ、自分自身にも思い入れのあるコピー用紙について書いてみたいと思います。
そもそもコピー用紙とは?
紙業界では、いわゆるPPC用紙(PPCはplain paper copierで普通紙複写機の事)と呼ばれて、それまでの昔の青焼き(建築図面や機械図面に使われた)とよばれるジアゾ式複写機用紙と区別するために使われた、普通の紙。普通紙といわれます。
wiki参照https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%BC%E7%94%A8%E7%B4%99
なぜコピー用紙に注目?
わたしは今でこそ、父親(故人)の会社を承継して、紙をカタチに切るシゴトをしていますが、1995年の春、大卒で就職したのは東京のとある紙商社でした。
某製紙会社の子会社のその紙専門の商社では、新聞紙、印刷用紙、出版用紙、そして情報用紙など、使われる紙の用途によって部署がわかれておりました。
私が配属されたのは、情報用紙部門、情報を伝えるための用紙を扱う部門でした。
かつて、銀行の電算室(←古っ)でつかわれた連続伝票用紙や、ファクシミリやレジ用の感熱紙(熱を加え、紙を変色されることで印字)なども情報用紙に分類されます。
そのなかでわたしは、コピー用紙(PPC用紙)を主に担当する課に所属し、その取引先には、日本の名だたる複写機メーカー、電機メーカーさんや、スタートアップしてしばらくしたオフィス用品通販会社さんなどがありました。
そんなコピー用紙について書いていくだけでも、一回でまとまりそうになく、今回は寸法と厚さについて書いてみますね。
コピー用紙の寸法
コピー用紙は、A4、A3、B4、B5 くらいが一般的なオフィスで使われると思います。そのなかでもA4が一番多く使われますね。
なぜA4やB4というのでしょうか。
A系統の紙の寸法は、今日多くの世界で採用されているサイズで、国際規格で規定されています。
B系統は、実は日本独自のローカル寸法で、江戸時代の公用紙である美濃紙をもとに定めた美濃判がもとになり、現在もJIS規格:日本産業規格(旧:日本工業規格)で規定されています。
諸外国には、このほかさまざまな紙の規格寸法があるので、その違いを観察するのも面白いかもしれませんね。
コピー用紙の厚さ
標準のコピー用紙の厚さは、64g/㎡ が多いです。
え?ちょっとまって。
厚さの基準なのに、一平方メートルあたりの重さで表現するなんて、なんか変ですよね?
紙の厚みの表現を、業界ではこうした重量で応える商慣習があります。
それは、紙の取引形態にかかわることからきています。
紙は、同じ紙質でも、さまざまな紙の寸法がつくられ流通するので、紙の取引は、一枚いくら?という方式では、紙の寸法が異なるものごとに値決めをするのは、大変わずらわしく、製紙メーカーと紙商社の取引では、重さを基準取引単位にしていることがほとんどです。
単位面積あたりの重量が重いほうが、同じ寸法であっても、それだけ紙の繊維などを多く使い、嵩高につくっていることから、コストがかかり高い紙となります。
こうした取引単位の 重さ=厚さ 感覚が商慣習化したものと思われます。(諸説あり。
(但し、クレーと呼ばれる泥素材で表面をコーティングしたコート紙などは、普通紙とくらべて、クレーの分重くなるので、同じ重さの紙では、コート紙のほうが実際の紙の厚さは薄くなる傾向になります。難しいですね。)
さて、実際の紙の厚みは、道具で測ると、64g/㎡の紙は、0.09mm(0.9ミクロン)前後が多いです。
コピー用紙の厚さは、髪の毛の太さと同じ
ひとの髪の毛が、太い毛で 0.1mm、ネコっ毛といわれる細いもので0.06mm程度。平均、 約0.08mm前後ですから、だいたい、ひとの髪の毛の太さと同じくらいといったら伝わるでしょうか。
いかがでしょうか。
ふだん何気なく使っているコピー用紙の寸法と厚さにも、実はいわれがあったりします。
そういえば、コピー用紙の一般的な厚さはなぜ64g/㎟に決まったのか…
使い勝手のよさと思われますが、開発秘話などを聞いてみたいですね。
次回は、コピー用紙のおはなし(紙質&つくり方編)
次回はもう少し、コピー用紙について掘り下げてみたいと思います。
えぇ、思い入れがあるので(笑。
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