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コピー用紙のおはなし(紙質・紙の品質編)

note記事4回目
前回記事からしばらく時間が経ってしまいました。
前回、タイトルのコピー用紙のおはなし(紙質&つくり方編)を書こうとしたら、横道にそれ、そもそもの紙のできるまでのおはなしになってしまいました。

今回は、紙質、紙の品質について、あらためて。

紙の品質ってどういうこと?


紙にも品質があるのです。
モノの品質ときくと、どんなイメージを浮かべますか?
自動車や家電、パソコンなど耐久消費財なら、グレード、スペック、デザイン、耐久性など。そして、食品ならば賞味期限や安全性。衣料品ならば、縫製技術や使ってる素材など。イメージがわきますよね。

では、紙の品質は、いかがですか?
一般ではあまり気にされることがないような気がしますね。
まぁ、気にしなくても、ふだんの暮らしに困ることはないんですけど(笑。

業界人としては、紙も自動車や家電と同じように、しっかり品質管理されているということを知っていただきたいと思います。

紙の品質にはどんなものがあるの?

紙の品質には、実はたくさんの項目で管理されているんです。
ざっと書いても・・・
・厚さ
・重さ 
・破れやすさ
・曲がりやすさ
・表面の剥がれやすさ(剥がれにくさ)
・表面の凸凹具合
・空気の通りやすさ
・ペンや万年筆で書いたときのインキの滲みやすさ
・透けやすさ
・燃やしたときの残留量
・水分量
・白さ
・そしてかつて問題になった、古紙配合率(古紙がどれだけ含まれるか)

世の中にあまたある紙は、さまざまな用途に使われますが、その用途に合う品質規格で作られています。
用途ごとに紙の種類がわかれるのです。
印刷紙には、印刷に向いた品質。新聞紙には新聞に向いた品質。ティッシュペーパーにはティッシュペーパーの品質。箱には箱の。コピー用紙にはコピーに向いた品質基準があります。それぞれにその品質基準をしっかりチェックされたものが出荷されているのです。


紙の品質はなぜ必要なの?


印刷紙であればインキがムラなく綺麗に表面にのる品質が求められます。
本になるなら、手に馴染む厚みや曲げやすさ、読みやすい白さがあります。
ポスターであれば、貼られる期間や場所にあわせた耐久性が求められます。
トイレットペーパーならば、速やかに水に溶ける紙でなければなりません。
コピー用紙には、複雑な構造のコピー機の中を滞ることなく搬送され、トナーがムラなく定着する品質が担保されています。
インクジェットプリンタは、コピー機とは印字の方法が異なりますので、インクジェットのインキが滲まず発色の再現性が求められます。
最近は、コピーでもインクジェットでも区別なく使える紙が増えましたね。
それは、求められる両方の機能をもった紙を開発できてきたからなのです。

いま手にする「紙」に想いをはせて


紙は、わたしたちの暮らしのなかに当たり前のように存在し、どれも同じようにみえます。昔から変わらないようにみえます。でも、実は、製紙メーカーでは日々、品質の管理や向上、新たな機能をもつ紙の開発、より環境によい製造など、たくさんの努力をしています。
業界では、年間数多くの新製品も発表され、また廃盤になっていく紙があります。
ペーパーレスの時代になり、どちらかといえば廃盤になっていく紙のほうが多い気がする今日この頃。
紙にはたくさんの種類があること。それには、きちんと用途にあわせた品質が管理されていること。よりよいものづくりのために、メーカーが奮闘していること。
あなたの今日手にする紙にも、業界のたくさんの努力の結晶が刻まれて、その手にあることを知っていただけたら嬉しいです。


もっと紙を知りたくなったら?


いろいろな紙をつくっている工場は、国内各地にあります。
興味がありましたら、一度工場見学などもしていただけるといいですね。


リンク先引用になりますが
紙パルプの社会見学施設一覧を参考になさってみてください。
https://www.kengaku-jp.net/category/pulp

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