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眠らせる薬の真実

先週のCT検査に続き、今日は麻酔科医+主治医の先生との診察があった。手術まであとわずかなので、検査や面談ラッシュが続く。ほぼ一日中、病院で過ごすこともあるが、僕は待合中に仕事をしていることが多い。パソコンが1つあればどこでも仕事ができるけど、以前は「ネットワークどうする?」問題が多発していた。

というのも病院の立地のせいなのか、スマホのテザリングも、ポケットWi-Fiも、とんでもなく不安定だ。病院の無線を借りようにも一般には開放されていない。

それでも3年も病院に通っていれば、4階のどのエリアに座れば通信が安定するということを学習済みで、今ではネットワーク問題に直面することは少ない。

2度目の手術につき省略されること

麻酔科外来の前には小型のモニターがあって、診察の前に、DVDで全身麻酔とは?みたいな動画を見せられる。全身麻酔にはこんな種類があって、オペ室に入ったらこうやって麻酔が効き始め、そのうち意識がなくなるよ、といった初心者にわかりやすくまとめられた動画。

でも、手術も2度目になると、看護師さんから「これ前回と同じ内容ですけど、みますか?」と投げかけられ、もちろん即答でお断り。大体わかってるし、この動画をみたから「あー、安心して手術に臨める。不安が解消してよかった!」なんて思う人は一人もいないと感じる。

好奇心から麻酔の種類が知りたい

麻酔科医との診察も、以前と同じように淡々と進んでいった。なので、特筆することは何もないが、診察後、麻酔科の看護師さんとの会話でいろんなことを教えてもらった。

それは、手術に使う麻酔のこと

例えば、大昔に麻酔を使って手術をした人をあげるなら、僕は真っ先に三国時代の華佗が浮かぶ。華佗は麻沸散を使って外科手術を行っていたようで、成分的にはアヘンなどが含まれていた模様。もちろん、華佗は伝説上の人物として扱われているためその真意は定かではない。

その三国時代からおよそ1800年後の現代、全身麻酔の手術で使用される麻酔(麻酔薬のセット)は、どんな種類があるのか?
手術を受ける患者さんに、こういう薬の種類の説明ってするのかどうかもわからないし、何より聞いても教えてくれるのかわからない。(ちなみに、前回の手術の時は聞ける雰囲気ではなかった。)

そこで、看護師さんに思いきって質問してみた。

「前回、僕に投与された麻酔。そして、今回使う麻酔って同じものなんですか?とても興味があって教えてほしいです。」

看護師さん「手術当日の麻酔科医によって何を使うか、多少変わってくるんですよね。でも前回使ったものなら教えられますよ」

麻酔について

とのことで、快く教えていただいた。ちなみに、こちらが使用した麻酔のラインナップ。2種類ぐらい使うのかな?と思っていたら、4種類も使っていた。

  1. プロポフォール(眠らせるやつ)

  2. ロクロニウム(筋弛緩作用)

  3. フェンタニル(麻薬性鎮痛薬)

  4. レミフェンタニル(麻薬性鎮痛薬)

似たような名前があるのは、それぞれで効能が効き始める時間に差があったり、継続時間の長短など違いがあるため。麻酔科医は、このタイプの症例で、今回の手術時間だったら、何を組み合わせて使用するかということを考えて組み立てるらしい。なんだか設計者みたいな役割だ。

もちろん、こんなこと知ったところで、当の患者にとっては何もプラスにならない。でも、僕は幼少期に本気で医者(外科医)を目指していたので、医学の世界に触れることは単純に楽しい。何事も好奇心が大切だと感じる。

主治医の先生と話し込む

この麻酔薬の話を小ネタにして、主治医の先生と会話してきた。今日の先生は少し元気だった。そんなこともあって、知りたいことを質問してみた。

「外科医の先生って、麻酔の知識も完璧でないといけないんですか。というのも執刀中って、眼の前の傷口に全集中しているじゃないですか。より深く切るから、麻酔強めでお願い!とか指示出したりするのって先生なんですか?」

主治医の先生「それは麻酔科の先生ですね。例えば、麻酔の効きが弱くなってくると、痛みに対してバイタルに反応が出る。それを麻酔科の先生がチェックして、薬を入れたりしてるんですよ。」

手術中の麻酔科医と外科医

なので、「手術はチームで行うもの」と説明された。

確かに、僕らの業界でも1人で完璧にこなせるものはない。ディレクター、情報アーキテクト、デザイナー、エンジニア、みんなが専門領域を補い合うことで、良質なプロダクトが完成する。これはすべてに通じることかもしれない。

最後に、話の流れで「外科と内科だったらやっぱり外科ですよね」というニュアンスのことを話したら苦笑された。

全身麻酔の手術は咽頭部の風邪がアウト

そんなわけで、無事、麻酔科医と主治医の診察も完了したが、風邪と感染症にはくれぐれも気をつけてと念を押された。仮に風邪でリスケになると、主治医の先生は4月から別病院へ異動になってしまうため執刀してもらえない。

そうならないように、気休めのマスクをして過ごそうと思う。

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