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[短歌20首連作]The Biology of Neon Babies

他人の眼のなかで、第三者が私を見つめている――言語とは、正義なのだ。はじめに顔があって、そのあとで顔が現出させたり表出したりする存在が正義を気遣うわけではない。顔が顔として公現することが、人間性を開くのだ。顔としての裸性をまとった顔は、貧者や異邦人の赤貧を私に提示してくる。しかし、私の諸々の権能に訴えかけてくる、この貧窮と流謫は、私に狙いを定める(ヴィーズ)のであって、これらの権能に所与として身を引き渡すことはなく、顔の表出であり続ける。貧者、異邦人は、対等なものとして現前する。
(エマニュエル・レヴィナス[著]藤岡俊博[訳](2020)『全体性と無限』講談社)

夜光虫も白うさぎも売っておりまして清潔な管理区域へようこそ

うっすらと人間の冒涜 観覧車から美しい人だけ探す

石畳にバービー人形落ちていて踏まずに拾い上げずに いたみ

(I don’t know how to speak to him. I don’t know how to speak to her.) 驕って

黙殺を覚える 牛乳寒天の甘さに慣らされていくように

めいそうし/んけいはんしゃの/たまゆらの/まだみたことの/ないらふれしあ

誰もが最初の焔(ほむら)であるのに 排除より忘却がいっそう罪深い

金管の比喩で私を呼ぶときのあなたの庭に茂るどくだみ

世界。それは変質してしまった香水、いつまでも回らないカルーセル

着ぐるみだ、とあなたは指して(粘性の)そのキャラクターの名前を知らない

My victim, your victim 責任をどこまで取るか5秒で決めて

非難、災難、予測困難 ショッキングピンクのルージュを爪で削って

補色だと綺麗でしょう? という理由からネオングリーンのタンポンがある

望ましい性質。毒いちご/脱ぎ捨てたブラジャー/阿片/馬鹿で鈍感

バーレスク 思考停止を演じればそこから乱れ咲く曼珠沙華

曲芸に手を叩くときひさかたのNeon babies live in water.

怒らなければ安寧でいられます。いつまでも刺さらない注射針

気づかなければ安寧でいられます。あなたにだけ見せたい舌ピアス

積み上がったネオングリーンのテディベア、運命を、待って、いたんでしょうね?

管理区域のベンチに眠る ユニコーンの夢が優しく壊されるまで

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