[短歌20首連作]The Biology of Neon Babies
夜光虫も白うさぎも売っておりまして清潔な管理区域へようこそ
うっすらと人間の冒涜 観覧車から美しい人だけ探す
石畳にバービー人形落ちていて踏まずに拾い上げずに いたみ
(I don’t know how to speak to him. I don’t know how to speak to her.) 驕って
黙殺を覚える 牛乳寒天の甘さに慣らされていくように
めいそうし/んけいはんしゃの/たまゆらの/まだみたことの/ないらふれしあ
誰もが最初の焔(ほむら)であるのに 排除より忘却がいっそう罪深い
金管の比喩で私を呼ぶときのあなたの庭に茂るどくだみ
世界。それは変質してしまった香水、いつまでも回らないカルーセル
着ぐるみだ、とあなたは指して(粘性の)そのキャラクターの名前を知らない
My victim, your victim 責任をどこまで取るか5秒で決めて
非難、災難、予測困難 ショッキングピンクのルージュを爪で削って
補色だと綺麗でしょう? という理由からネオングリーンのタンポンがある
望ましい性質。毒いちご/脱ぎ捨てたブラジャー/阿片/馬鹿で鈍感
バーレスク 思考停止を演じればそこから乱れ咲く曼珠沙華
曲芸に手を叩くときひさかたのNeon babies live in water.
怒らなければ安寧でいられます。いつまでも刺さらない注射針
気づかなければ安寧でいられます。あなたにだけ見せたい舌ピアス
積み上がったネオングリーンのテディベア、運命を、待って、いたんでしょうね?
管理区域のベンチに眠る ユニコーンの夢が優しく壊されるまで