時に希望とは過ぎ去った過去にあるものだったりするのかもしれない
僕の父方の祖父は脊髄小脳変性症という病気で亡くなった。
僕が子供の頃、祖父はいつも「ノートあるぞ」と言って大学ノートを何冊も、切らさないように買ってきてくれた。僕が夢中になって、そのノートに絵を描いているのを知っていたからだ。それが僕の、絵を描くことの原体験だ。
祖父の具合が悪くなり始めたのは、僕が高校生になった頃だった。脊髄小脳変性症という病気は、小脳が萎縮していって段々体の自由がきかなくなっていく病気で、原因は不明で延命治療しか出来なかった。僕が東京の美術大学に進学する為