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PLAYWOODのクラベスも新しくなった

有限会社バロック・ミュージックが「プレイウッド」の製造元であることはよく知られている。
そのプレイウッドが新しくクラベスを出した。
早速試奏したので、その感想を書こうと思う。
尚、いわゆる案件ではなく正直な感想を書いただけであり、忖度は一切ない。今私はPLAYWOODのアドバイザーとなったが、変わらない。その様子が知りたい方は以下の記事をどうぞ。(10年前と書いていますが11年前でした。そのうち訂正します。)

色が凄い

まず、どう見ても紫芋の色をしている。全国の中高生から「紫芋」と呼ばれること間違いなしだ。

どうみても紫芋の色である。

パープルハート材というらしい。
天然の色だと言われた時にとても信じられなかったが、家具屋さんで紹介されている様子を見ると、どうにも本当らしい。

コンクールで、色が原因で減点されることは常識的に考えられないが、我々の価値観に一石を投じる色だ。
ただ、従来の茶色や肌色の木材はますます取れなくなっているらしい。世界的に見ても木材の希少性が高まり、今後材料を確保するだけでなく新規素材の開拓という考え方も重要になっている中、業界最大手らしく思い切った決断をした、ということだろうか。

価格が手ごろ

2024年11月25日。来週の月曜日から売り出されるらしい。メーカー希望価格は3,800円(税込み4,180円)。大抵どこの楽器屋さんでも扱っているので、試されてはいかがだろうか。
私の先生から聞いたが、本当に世界中どこに行っても売っているらしい。確かにプレイウッドの中の人とお話しした時に、色々な国名が出てきたのは覚えているし、恐ろしいほど大量の製品を出荷していたのも覚えている。どこの学校に行ってもプレイウッド製品を見ないことはない。全世界で大量に販売しているからこそ成せる価格なのだろう。

その他は意外と普通

持ちやすい、叩きやすい、鳴りやすいと感じるが、いかんせんクラベスは個体差が大きい製品であるから、あまり文章にしてもアテにならないかもしれない。
音の密度は今までよりも少し充実している感じ?がする。
実はパープルハート材で他の形の試作品を試したが、ほとんど良好に鳴る。
もちろんハズレのものもあったが、今までよりもアタリと思えるペアが倍以上増えたように感じた。この材の持つ特性なのかもしれない(か、単に職人さんの加工技術が凄いのか)。

製品HPを見ると、次のように紹介されている。

今回採用したパープルハート材はその名のとおり鮮やかな紫色が最大の特徴です。
見た目のインパクトが抜群ですが、これは着色やカラー塗装を施しているのではなく、天然の色なのです。
角型で、側面の窪みが手になじみ、演奏の際に安定して持つことができます。
芯があり立ち上がりの良い高音は、ほかの楽器の音に埋もれずによく響き、日本的な作品にも適しています。
PLAYWOODがいま注目しているパープルハート材をぜひお試しください

公式HPより

ほかの楽器の音に埋もれずによく響き、日本的な作品にも適しています。という一文が奏者としては気になるところ。
個人的には管弦楽・吹奏楽・室内楽(アンサンブル)問わず、万能という感じがする。ただし、吹奏楽の和モノと呼ばれる作品では、以前ご紹介した拍子木「特閃」の方が良いかもしれない。
あと、打楽器アンサンブルでも例えば西村朗の「ケチャ」、スティーブ・ライヒの「木片のための音楽」などには合わないように感じる。つまり、複数のクラベス同時に用いるような作品では、イマイチ、という気がするのだ。
埋もれずによく響き、という日本語から、突き抜けるような鋭さを想像される方もいらっしゃるだろうが、そんなことはない。
密度の高いサウンドなので、ブレンドしつつ丁度良く抜ける、という感想だった。編成の大小を選ばないという意味では珍しいかもしれない。

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