2024.7.17 もしそば屋をやるとしたら、どんなそば粉使いますか?
7月17日(水)
今日は、”もし私がそば屋をするなら、どんなそば粉を使うか?”という話をしたいと思います。
私はそば粉屋になって来月で丸20年になります。これまで「そば粉屋」という立場でそば粉を見ていましたが、自分が「そば屋」をやるとしたら、どんなそば粉を使ってどんなそばを出したいか?こういう視点でそば粉を考えてみました。
やっぱりそば屋をやる以上は、お客様に満足してもらいたいし、あのそば屋は素晴らしい!と噂にもなりたいです。
つまり、「考えられる最高品質のそば粉」を使いたいわけです。
高品質とは、「①おいしい」と「②扱いやすい」を兼ね備えているものです。
では、この2つの切り口で考えてみます。
①おいしい
私が考えるおいしいそばがつくれるそば粉とは・・・
やっぱり石臼挽きです。
それもできれば手挽きです。最近何度か食べ比べると手挽きの方がおいしかったからです(ここに関してはもっと研究してみます)。
丸ヌキを石臼で綺麗に挽き、やや白目で粗い成分がいっぱい入ってるそば粉が好きなので、仕上げ篩は40目より粗くします。さらに白荒かそれより粗い粉を2割程度入れたいです。
粗挽きのもちっとした食感は好きですし、見た目も好きです。香りも強めに出る気がします。
原料はやっぱり心情的にも山形県産を使いたいです。
最近県外で営業をしていますが、山形県産に対するそば屋さんの反応を見ていると、かなり可能性を秘めていると思います。
具体的には天童高原のでわかおりがいいときはそれを使いたいですし、大蔵村、戸沢村、尾花沢の最上早生、大石田の来迎寺在来、山形BW5号もいいと思います。さらに三角そばが手に入ればぜひ使いたいです。
夏は夏新、終わったら雪室、それに寒ざらしと天保そばはスポットで使いたいですし、摩周のようないい原料や全国の希少性のある産地もスポットで使いたいです。
②扱いやすい
やっぱり商売なので、コストや手間も考えます。
なので、手挽きはちょっと難しいですね。
外1か9割でつなぎたいので、粗挽きだけでなく、微粉もしっかり入った石臼挽きがいいですね。ちゃんとつながるそば粉のほうが扱いやすいですから。
夏新は使いたいですが、もし切れやすかったら、低温貯蔵している原料を選ぶかもしれません。
こんなこと考えてると、私の考える最高のそば粉とは何かが見えてきます。
もっというと、結局私がそば粉屋としてそば屋さんに売りたいそば粉は、今言ったようなもので、こんなそば粉があれば自信を持って営業できる・・・ということになります。
では、みなさんがそば屋をする場合・・・
どんなそば粉を使いたいですか?
いろんな視点でそば粉と向き合って欲しいと思います。
それでは本日もよろしくお願いいたします。
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