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「摩周産そば」の凄い特徴 ~日本屈指のそば産地~
第一弾として、北海道の摩周産(弟子屈町)を取り上げます。
農産物なので、毎年同じものではありませんが、これほど平均点が高く、ばらつきが少ない産地はなかなかお目にかかれません。
この「摩周産」は、他産地では真似できない数多くのユニークな生産販売方法を行っていますので、特徴を天(気候)・地(土地)・人(生産者)を中心にまとめてみました。
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https://suzukiseifun.thebase.in
摩周産の「天地人」
〇天
・冷涼な気候
夏でも涼しい気候はそば栽培に最適です。特に夜の温度が低い北国の内陸性気候は、高温障害も少なく安定したそば栽培ができます。
・霧が発生
オールドファンなら「霧の摩周湖」という歌を思い浮かべると思いますが、摩周湖は本当に霧が多い場所です。栽培中に霧が発生する寒暖差のある畑は、いいそばがとれると言われています。雨がなくても霧や露で湿った葉から水分を吸収する力が高いようです。
・湿気が少ない
霧の名所とはいえ、やはり北海道は湿度が低いです。栽培中では湿害が少なく、乾燥工程では「地干し」や「風力乾燥」が可能になります。
〇地
・名前がいい
何といっても「摩周」という響きが秀逸です。日本人ならいいイメージしかないでしょう。
・広大な土地
摩周湖~屈斜路湖畔にかけての広大な土地は、本州にはない魅力があります。1区画の面積がとても広く、農作業も効率的に行われます。
・水はけがよい
稲作にはあまり適さなかった土地は田んぼの転作ではなく、ずっと畑として利用されています。水はけ良好の畑は湿害に弱いそばの適地となります。(田んぼは水をためる場所なので、畑に変換するには、粘土系の土質を変え、板のような硬い土盤を崩すなどの心土破砕、明渠、暗渠等、大胆な湿害対策を講じる必要があります。)
○人
・熱意と知識がある
そば栽培に真剣に取り組む生産者や農協関係者は、熱意がすごく一体感があります。毎年訪問させていただいていますが、いつも活気を感じます。
また、そばに対する知識も凄く、各研究機関との連携や、データ採取や育種にも積極的です。
個人単位でいい生産者は他の地域でもいますが、農協単位でこれほどのそば栽培集団にはお会いしたことがありません。
・栽培方法が凄い
特にユニークなのが収穫方法です。通常はコンバインで収穫同時脱穀を行いますが、この産地は一度刈り倒します。数日地干しを行ってからピックアップコンバインで収穫します。
このメリットは2つあります。「早刈り」ができることと、「地干し工程により追熟」する事です。これによって青みのある実を収穫できつつ、未熟の少ないいいそばを生産できる訳です。
逆にデメリットは、地干しの時に雨が降ると品質が低下することと、作業量が倍になることです。なので、収穫時期は他の産地以上に忙しくなります。
・乾燥調製が凄い
乾燥調製は畑毎に管理しながら行います。また基本的に風力乾燥を行うので、高温での乾燥に比べてそばの風味が残ります。これらの作業は、農協で管理する最新の乾燥調製設備にて選別、袋詰めまで行い、間違いない製品に仕上がります。
・売り方が凄い
収穫も乾燥調製も生産者毎だけでなく畑毎に行うので、販売も畑毎に番号管理して行います。栽培履歴(トレーサビリティー)の一覧も管理しています。さらに凄いのは、畑毎に丸抜のサンプルが送られてきます。同時に、歩留まり、粒度分布、水分等のデータも送られてくるので、買い手が選べる素晴らしいシステムになっています。
これができる産地は他では見たことがありません。最高に信頼できる産地たる所以はここにあります。
さて以上のポイントの中から特にユニークなポイントを簡単にまとめると・・・
摩周産のポイント
・刈り倒し+早刈りのため青みあり
・風力を中心とした乾燥と調製が上手
・畑毎のサンプル販売がユニーク
・栽培履歴が完璧
・気候、土地、人すべていい!
青みがあって、おいしくて、打ちやすい原料を、安定的に栽培する「摩周」は日本屈指の産地と言えるでしょう。
この産地の唯一の欠点は、畑の面積を広げられない事かと思います。これだけのこだわりを持った畑毎の生産方式は、今の量で手一杯です。したがってあまり流通しません。この知る人ぞ知る産地をぜひみなさんに味わってもらいたく、今回限定販売させていただきます。
また、この産地では「キタワセソバ」と「キタノマシュウ」の2品種を生産していますが、私は「キタワセソバ」の方が断然好きなので、「キタワセソバ」のみの販売とさせていただきます。
※年によっては「キタノマシュウ」の方が好みの場合もあります
この機会にぜひ「摩周産」と出会ってみませんか?
そば粉購入サイト:BASE
参考までに、販売サイトでのそば粉の「白色度」と「粒度」は・・・(当社比)