結婚式の召集令状、届く
人がなんのために結婚式をやるのか年々わからなくなってきている。
社会で当たり前に受け入れられてるけどなんの意味があるのかわからないランキングで結構上位だと勝手に思っている(もちろん1位は労働である)。
先日大学時代のヨッ友よりちょっと話す程度の知り合いから結婚式に招待された。
現代では手紙ではなくLINE一つで招待するということに驚いた。手紙だったら返送まで参加するか考える時間が与えられるが、LINEで聞かれちゃ返事を急がねばならない。そんなこんなで参加するかしないか決めるためにこの記事を書いている。
僕は今まで2回結婚式に参加したことがある。
最初は小学校低学年、2回目は新卒で働き始めた頃だ。
初回は親戚の結婚式だったが鼻垂れ小僧にはなんのこっちゃわからなかったので「世界に一つだけの花」を従兄弟たちと熱唱したことしか憶えていない。
2回目行った時は正直キツかった。とにかくあの場が苦手なのだ。幸せ以外許さない雰囲気を感じてしまう。感情が拘束されたように感じる。息苦しい。ていうかスーツも着たくない。
タモリのように「結婚式、クソ喰らえでございます」という感動的なスピーチをする勇気もない。
「結婚おめでとうございます。末永くお幸せに」というあまりにも使い古された定型文をビデオレターに残すしかなかった。今やその先輩夫婦は御多分に洩れず浮気だなんだで冷めきっている。
その結婚式の時はとにかく乗り切るために前日から必死に「おれは結婚式のような幸せムードが大好きなんだ」という自己暗示をかけたおかげでなんとか乗り切った。いや就活かっ(途中から効果が薄れて辛かった)
そもそも招待が届いた時点で選択の自由は存在しないと言ってもいい。3ヶ月後の式に出られない理由なんて滅多にない。シンガポールで南北に縦断する地下鉄を作ってるとかでない限り式には出られるのだ。その意味でこの招待状は召集令状と同じくらいの強制力が働いている。赤紙におめでとうございますというように新婚さんにおめでとうございますと言わなければならない。
まじでどうしよう。ずっと座っていられるか不安だ。途中で飽きたら勝手に2次会移行してもいいかな?
ここまで身勝手なことを言うと性格が終わってると思われても致し方ない。だけど結婚はめでたいと思うし本人たちが幸せなのは祝福したい。親友の結婚式だったらめんどくさいより祝福したいが勝つと思う(たぶん)。
要はそんなに新郎と仲良くないというのが問題なのだ!じゃあ断ればいい。しかし、この式に参加すれば当時の大学のサークルのメンバーに会えるかもしれない。ちょっと会いたいのだ。あとはまあ招待されたし行ってもいいかなという気持ちも僅かにある。
それに2回目の結婚式の帰りでいい結婚式だったと満足した記憶も僅かに残っている。もしかしたら行ってよかったとなるかもしれない。風呂入る前は入りたくないけど出た後は入ってよかったってなる現象の高難易度版だと思えばいいのか?
ただこんなふわふわした理由で3ヶ月後のイベントの参加を決めるのはあまりにも心細い。
もう飲みに行ったついでにちょっと特別なことをして祝うとかじゃだめなのか?家で盛大に鍋パするんじゃだめなのか?本当にウェディングドレスとタキシードを着て教会で誓いを立ててバベルの塔みたいなケーキに一太刀喰らわせて小盛りのフランス料理を食べなきゃいけないのか?
おれがこの世の全ての結婚式を取り仕切ってやろうか!全ての結婚式を鍋パに替えてやろうか!