北米xトヨタではCamriよりもBEVがお得
トヨタのBEV;bZ4XがリースでCamri-HVよりも安くなる現象が北米で起きており、背景にはIRAの特例条項の存在があるようです。他国のルールメイキングにはなかなかに関与できない昨今でありますが、ルールの背景にある業界の思惑と利益確保の抜け道についてはしっかり把握して販促を進めることが大事だと思うのであります。
https://www.carsdirect.com/deals-articles/toyota-paying-dealers-10-000-to-lease-the-bz4x
1;発生しているコト
CarsDirectのDealerIncentive情報によるとトヨタは[リースにおいてbZ4XはCamriよりも安価になる]設定としているとのことで、CA州で36か月間のリース契約では下記となる。
-bZ4X=389USD/月+契約時に4,999USD →実効コスト;528USD/月
-Camri(HV)=469USD/月+契約時に2,999USD →実効コスト;552USD/月
上記条件ではCamriの残存価値は53%でbZ4Xの51%に比べて高くなるが、リース料はほぼ同じ年率約6%相当。ちなみに買い切り価格は[bZ4X=43,835USD] [Camri=31,584USD]となる。
2;背景
bZ4XにはIRAのリース条項に基づいて7,500USDのクレジットが適用(CA州ではClean Vehicle Beltも2,000USD付与)されるのに対し、Camriにはインセンティブが発生しない点が背景にある。
IRA適格性確保には、LiBの希土類調達/製品組み立てに係る厳格要件に合格する必要があるが、リースEVは商用車に区分され乗用車よりはるかにゆるい基準でのクレジット請求が可能となる。(ほとんどすべてのEVが適用される)
3;そのほか
ディーラー販売員には[bZ4X&リース]で10,000USDのインセンティブも付け、BEV以外の車種が供給不足になっているところ、[BEV拡大][販売水準維持]の双方を狙ってるものと。