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2022年のEV販売データ詳細

 EV調査団体のEV-Volumeが2022年のEV販売に関する詳細データを出していたので内容(概要データは既出)をサマリました。地域別/メーカー別のデータが公表されており、やはり中国がけん引。府支援を受けた中資系(特にBYD)無双はとんでもないレベルになっております。

1;世界全体/地域別の状況

 2022年のEV(BEV+PHEV)販売台数は1052万台で、YoYで55%の増加。地域毎の成長パターンは変化し、[中国;絶好調][米国;成長継続][欧州;成長鈍化]となった。PHEVの販売台数は依然増加するが、各国補助金削減+BEV供給体制の改善を背景にEV構成におけるシェアは低下した
 2023年予測は[EV販売;1430万台(YoY;36%増)]で、BEV1100万台/PHEV330万台の想定となっている。
[EVの特性]
 ICEを中心とする既存自動車市場は2020-2022年に凋落の一途をたどったが、一縷の希望が見えたのは[新興国][EV]だった
(新興国)
既存市場での凋落を横目にインド/ASEAN諸国を中心とする新興国では力強い回復を継続
(EV)
各国補助金が潤沢に出ていることも背景にあるが、先進国/環境配慮国で高い成長を記録した

2;特筆すべき国別状況

 自動車市場全体では低迷ながらEV市場は堅実に成長/普及、販売台数の13%(BEV=9.5%/PHEV=3.5%)へ。
 ちなみに、国内シェアでEVが高いのは…ノルウェー(79%)/中国(27%)/EU全域(21%)と続く。また、急成長市場は…インドネシア(10,000台/YoY;10x)/インド(50,000台/YoY;2.2x)/NZ(23,000台/YoY;1.5x)で南半球中心に成長が拡大。
[米国]
 自動車販売全体でYoY;-8%だった一方でEV販売はYoY;48%増の110万台の販売でIRA補助金の影響も。IRA補助金が2023年執行のため、22年下半期には買い控えが発生…一部では既存補助金切替を見越した消化消費も発生
[中国]
 NEV販売台数はYoYで82%増加、22年単年のEV販売台数の59%を占める圧倒的なEV市場に成長し、販売のみならず生産でも高い水準へ。
 生産に関しても強国となり、全世界の生産台数の64%にあたる670万台が中国で生産、さらに他国への58万台を輸出しており殆どが上海製のTeslaとなっている。
[欧州]
 EV販売はYoYで15%の増加となったが、2020/2021年の販売台数増加に比べると成長度合いが鈍化した。自動車市場全体の低迷と半導体などの部品不足の継続が影響したのに加えて、ウクライナ戦争がさらに状況を悪化させた

3;特筆べき動き

 EV販売台数の増加で22年はほぼすべてのメーカーがEV販売台数を増加。前述通りYoYで55%増加する中で上位メーカーは下記の動き
(BYD)
 既存モデルの販売台数を増加させる一方、新モデル導入に成功。BEV及びPHEVに生産/販売を完全集中させ、21年比で3倍以上の販売を達成。
 一方で従来のICEとハイブリッドは生産縮小して22/04に完全に生産販売停止。現在、PHEVの世界最大のメーカーにまで成長。2021年の3位から大躍進を遂げた
(Tesla)
 BEVの世界販売台数で17%シェアを獲得して他社をリード。YoYでは+40%でEV全体より低いものの順調に高成長を遂げている
(VW)
 EV販売台数はYoYで+10%にとどまり、主戦場である欧州が[補助金縮小][部品調達不備][ウクライナ戦争]といった要因で前年並みに。グループ内では[ID.4][ID.3][Eniac][Audi Q4]が人気で、中国;YoY+44%/北米;YoY+18%に
(GM)
50万円という安価設定で一気に台数を伸ばした[武陵GMミニEV]は販売台数がピークに達し、GM全体では+13%に。ミニEVを除いたGMのEVの合計成長率は+68%
(Stellantis)
 欧州/米国でEVシェアを拡大したが、中国でのプレゼンスが小さく中国の高成長の恩恵は受けられず。とはいえ、YoYで+34%という台数増加を達成。

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