自律型水上艦艇;Saronicの資本調達&成長戦略
米国で自律型水上艦艇を開発/製造するSaronic社が従来型の海軍編成に大きな影響を与える可能性があり注目が集まります。
同社の艦艇は小型ながら無人/自律性を特徴としており、海軍ミッションの実行に際して厳しい状況での難しいタスクの補佐を通じて海軍力強化をアシストします。
日本でも安全保障環境が激変する中で、こういった企業のプロダクトを政策に取込むことも必要だと思います。
1;Saronicによる資本調達(1.75億ドル)
24/07に自律型水上艦艇(ASV)の設計/製造を行うSaronicがSeries-Bで1.75億ドルを調達し、10億ドルの評価額に。Andreessen Horowitzがリード、8VC/CaffeinatedCapital/NightDragonなどの新規/既存双方の投資家が参加
今回の調達資金により国内外での成長を加速させる予定で、米海軍/同盟国向けのASV生産の拡大に力点を。
(国内)
[社内製造能力の拡大]を通じて全てのASVモデルの増産を可能とするとともに、海軍/海上部隊向けのASV研究開発を加速(技術開発/技術連携/ペイロードの統合強化など)させる
(国外)
主要市場(米国同盟国/パートナー)での、より完全なサービス提供に向けた能力拡大に用いる
投資家グループは複雑化/競争激化で激変する安全保障環境に対応しうるSaronicの事業に期待を示し、特に現場乗組員のニーズ充足/高度な技術と革新的な能力の統合を通じた米軍の優位確保に注目
(a16z)
[国の未来は、私たちが最高で革新的な技術を構築/展開し続けることに係っている]
[Saronicは兵士を保護し、敵の一歩先を行くために必要なソリューションを開発しており、継続的な成長をサポートできることを誇りに思う]
(8vc)
[米国/同盟国は中国やその他の敵を抑止するために、海戦にAIや自律能力を持ち込む必要がある]
[Saronicは適切な規模/タイムラインでこのような機能を提供し、業界トップクラスの人員を採用している]
2;Saronicの事業/拠点拡大
24/08にSaronicは本社を置くTX州オースティンで土地を取得(65,000平方ft)し、ASVの製造能力を拡張する計画
今回の拡張は本社機能/生産&製造施設が対象、100人以上の追加雇用が創出されて24年末までに従業員総数は200人を超える。年間数百台のASV生産能力を獲得し、非常/緊急/影響範囲広い海上無人システムをベースとする[Corsair(最大の船舶)]の開発/生産もサポート
既存の生産設備は維持してオースティンでの総占有面積は10万平方ftとなり、ガルベストンにある5,000平方ftの海洋試験施設も引き続き活用する
CEOのDino Mavrookas氏は設備増強による生産能力強化を強調
[Saronicにとって重要なマイルストーンで、当社の事業拡大はオースティンでASVを開発/製造するという当社の取組を反映する]
[防衛ミッションのニーズを満たすべく必要なスピード/規模で製品を市場投入するために必要な優秀な人材/専門知識を地元から雇用する]
3;Sacronicとは
(概要)
Sacronicは米海軍/同盟国の海上優位性を強化すべく、軍需用に適合すべく必要速度/規模で最も効果的で先進的なASVを提供。ASVは既存艦隊戦力の増強装置として機能するよう設計され、有人システムと連携して遠洋航行支援や人命/任務上リスクを軽減
下記3モデルを保持しており、顧客の特殊要望に応えて統合型の自律機能を備えており、通信/GPSが禁止環境で多様な任務遂行が可能
-製造/納入済み=[Spyglass(6ft)][Cutlass(14ft)]
-開発テスト段階=[Corsair]
HW/SWの垂直統合と[モジュラーオープンシステム・アーキテクチャ]を使用し、より高い相互運用性を齎す。また、乗組員の安全を確保するコスパ高いSWで、有人システム展開するリスク高い状況下で艦隊生存性を向上すべく、司令官の従事タスクを増やすことを可能に。
(海軍の課題)
海軍は艦隊数と維持コストに関して課題に直面しており、仮想敵国/挑戦国の海軍投資強化/技術開発に対抗する方策が求められている
艦隊数は米国でも300隻でしかなく、[軍事予算抑制→造船産業基盤の衰退→維持コストの向上]といった悪循環に陥っている。特に艦隊造成はコスト高/生産スケジュールの長さ/予算超過が常態化している。
ASVは消耗性を特徴としており[高コスパ][大量生産]が可能で、米海軍は脅威対処する中で造船ギャップを受けることが可能。小型/安価な自律型艦船が群れ行動、大型の海軍艦艇の行動を補強(戦術的ミッションの補佐)して人命を守ることができる
(海軍のアプローチ)
海軍の戦術は以下の方向に移行しており、ASVの活用余地が拡大している
1;艦隊;大型で標的にされやすい→小型で打ち負かし難しい
2;編成;数百隻の船→数千のプラットフォーム
3;乗員;軍人乗船→完全自律型
4;費用;非常に高価→費用対効果が高く、消耗性
5;建造;数年かかる→大規模に迅速に生産
6;構成;固定で柔軟性ないPF→モジュール式で柔軟性が高い