欧州マイクロモビのTierとDottが合併へ
欧州マイクロモビリティ業界で激震です。2大巨頭であるTierとDottの両社が合併する計画を提出しました。
業界全体が事業縮小/撤退に見舞われる中で残存利益の獲得と生き残りにかけて規模を狙いに行くようです。
1;TierとDottの合併計画
1/10にマイクロモビリティ@欧州で上位企業であるTierとDottが2か月以内の合併計画を完了するリリースを発出。詳細は不明だが両社は今後数週間をかけて合併後の運営や経営方針について検討/協議する予定とのこと
新経営陣は[会長=TierのCEO; Lawrence Leuschner][CEO=DottのCEO;Henri Moissinac][COO=DottのCOO;Maxim Romain][CFO=TierのCFO:Alex Gayer]となる
同時に既存投資家からの6000万ユーロの追加調達を実施。取引条件は未公開だが評価額ダウンしており、Dott社のDirectorは[以前のバリュエーションは非常な高水準だったが、現在は業界全体で調整が行われている]とのこと。
調達ではMubadala-CapitalとSofinaが主導し、他投資家も加わったが今回ラウンドにSBVF-2は参加していない
サービスは現時点で特に変わりなく、双方アプリは利用可能で展開国でのサービスも影響なく継続している
2;TierとDottの事業戦略
Tier/Dottともに欧州主要都市でスクーター/自転車シェアリングを運営し、ハードウェアサプライヤーとしてNinebot/OKAIと協力するが事業方針はかなり異なる
2-1;Dottの戦略
7か国/40都市で、スクーター;40,000台/自転車;10,000台を保有しており、従業員は600名。これまでの2.1億ユーロを調達
創業当初から運用及びシステム開発を内製化し、マイクロモビリティのシェアリング事業に注力してきた
2-2;Tierの戦略
欧州だけでなく中東(カタール/サウジ/UAE)などにも事業範囲を拡大、従業員は2000人近くを抱える
事業対象も拡大方針で、電動モペットサービスのCoup(独)や伝統的な自転車シェアリング企業のNextbike(英)の買収や交換式バッテリーNW整備などの事業を行う
Managing Directorは[当社の事業モデルは良好で、十分な車両と優れた事業/財務モデルを基に展開都市の殆どで利益を上げている。規模に関しては後れを取っているが…]と述べている
3;業界動向など
昨年中盤以降、多くのマイクロモビリティ会社が破綻/事業停止/事業縮小などを繰り広げており、一時期の過度な期待は縮小。最近はSuperpedestrianの事業停止やBirdの破産申請などが起こっており。
Tierも最近では従業員の22%レイオフや事業切り売り(BirdへのSpin事業売却)を行って中核事業への回帰を行っていた。利幅の薄いマイクロモビリティ事業では規模がKSFであることもあり、今回の合併に次ぐ案件も出てくる可能性が高い
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