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Candelaが電動水中翼船をCA州タホ湖に納入、商業運用へ

電動水中翼船の開発/製造を手掛けるCandelaが電動フェリーをCA州のタホ湖に納入しました。
海運分野の電動化は小型船舶/ボートが中心でしたが、徐々に大きいサイズの船舶でも開発が進んでいます。
Candelaは今回の資本調達で得た資金を新型船開発/製造の強化を通じて電動化の普及トレンドに乗る方針です。

1;Candelaによる調達クローズ

 11/20に電動旅客船を開発/製造するCandelaが1400万ドルの調達に成功し、調達ラウンドをクローズ。資金調達はSeries-Cの延長ラウンド、SEB Private EquityリードでEQTVentures/KanDelaが参加して総計4000万ドルに
 24年初めのSeries-Cラウンドでは2500万ドルを調達しており、その延長として今回は位置づけられる

 調達資金はP-12の生産拡大に充てるとともに、ゼロ排出船舶の需要拡大に対応する研究開発に用いられる。Candelaはスピードボート;C-7/C-8をメインとして最近100隻目の納入、今後はP-12(全長12m/乗客約30人)フェリーの生産を拡大

 CEOのGustav Hasselskog氏は下記のように述べて脱炭素化への貢献を強調
 -[水上輸送でのゼロ排出復活の夜明けだ]
 -[多くの企業にとって困難な時期に行われた本件投資は、当社技術と輸送の脱炭素化という差し迫った問題を解決する独自能力への信頼の証だ]

2;全電動フェリー;P12について

 Candelaは全電動の水中翼船シリーズを開発/製造しており下記のような特徴を備える
 (基本) 船体が速度を上げるとフィンで水面から浮き上がって、高度コンピューター制御水中翼技術で航行
 (機能) 水上での航行は安定状態で[水抵抗軽減][航続距離延長][乗り心地滑らか]といった効果を実現
 (航行)  水面から数フィート上空を時速25ノットで航行(現在運航中の電気フェリーの中で最速)
 (他) 急速充電で10分弱にてフル充電に回復,フェリー内部はニーズに基づいてカスタマイズ可能

 最初のP-12はストックホルムで納入/運用され、その後ニュージーランド/サウジアラビア/ドイツで契約が結ばれて納入。
 競合他社としてはZin/Navierなどがあり、動きが加速している
 -Zin;Teslaのようなトップダウン方式を採用して高級な個人用船舶に焦点を絞っている
 -Navier;Candela同様にベイエリアのような小規模な乗客市場を狙う

3;タホ湖での運用

 FlyTahoe社が30分間の湖横断フェリーサービスを提供、排出量削減/高コスト効率/環境配慮なモビリティサービスに。P12フェリーは地元住民/観光客の移動時間を短縮し、湖を南北に結ぶ接続提供を行う。同じルートを毎日 20,000台の車で移動するのに比べて、移動時間は半分に

 タホ湖は周辺に14つの世界クラスのスキーリゾートを要しており、冬には大雪/観光渋滞などで通常比で2倍以上の時間がかかることも…
 通勤者/観光客に移動オプションを提示することで交通分散/効率化/環境保護を実現。当地は年間を通じて1500万人を超えるアウトドア愛好家が訪問するが、冬には道路インフラの損傷が発生する
 
 FlyTahoeの創設者/CEOのRyan Meinzer氏は下記のように導入の意義を強調
 -[私を含め、何百万人もの人々がタホ湖の美しさを賞賛するために湖をドライブするが、道路の堆積物が湖の有名なコバルトブルーの透明度に対する最大の脅威なのは皮肉なことだ]
 -[当社サービスは、車やバスよりも速い輸送手段を提供し、タホ湖を青く保つものだ]

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