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GM-CEOは中国EVによる過度な価格競争は業界を底辺に陥れるとの認識

GMのCEOがイベントで中国EVメーカーの攻勢について底辺への競争と評し、価格競争に与さないとしています。
一方でGMの中国事業はBEVが若干好調ながらICE/HVともに壊滅状態にあり撤退も報じられるレベルに。
価格以外でのEV市場への打ち出し、現段階ではHVに注力する方がいいと思いますが、施策の行方に注目です。

1;GMのCEOによる中国EV批判

 10/16のFortune/Womens-SummitでGM-CEO;Mary Barra氏が中国製EVによる価格競争激化が業界を危機に陥れているコメント。同時に世界市場でGMは目立つ存在になるべく進むともしており、中国を含めた市場でのプレゼンス拡大に意欲を示す。
 -[政府補助金を受けた中国EVによる価格戦争激化で自動車メーカーは強い圧力に曝され、多くが赤字を被る"底辺への競争"に陥っている]
 -[自由貿易を信じているが、中国は状況が複雑で、中国のEV/PHEVの急速な導入は"多額の補助金"と"赤字垂れ流しのゾンビ企業"の存在が競争を歪めている]

 また、GMのEVラインナップ拡大/コスト低減により、保有したいと思えるEV提供が重要としている。Chevrolet Equinox/Brazer/Silverado-EVなど人気のEVモデルも増え、直近では[Brazer-EV(2025)=45,995ドル][Equinox=35,000ドル]が手頃価格で販売
 -[人々が所有したいと思える手頃価格の車両を提供し続けなければならない]

2;GMの状況

 中国市場でのGMは窮地に立たされており、BEV売行きは好調ながら売上高は前年比で2桁の減少に…。ICE車支持が下がり続ける中で、GMの中国売上は、第3四半期に昨年比で21%減少。
 一方で過去数年の投資が結実しつつあり、同社は[モデル拡大によりGMのEV販売は成長基調に入った]と楽観的な認識を示している
 (中国) GM/上汽GMはFY24-3Qで初めて[販売台数;NEV>ICE]でNEVは53%シェアとなった
 (米国) BEV販売台数がFY24-3QにおいてYoYで60%増の32,095台を記録。

 Cox-Automotiveによると、[キャデラック[[シボレー][GMC]の主要ブランドがYoYで好調に成長、3QではHyundai/Fordを上回ってTeslaに次ぐ2位に
 Barra氏は[四半期ごとに充電インフラが改善しており、EV普及が進む]と米国での利用可能充電オプションの拡大で更なる成長を見込むとしている。24/09にGMはNACSアダプターをリリース、GMのEVオーナーにTesla-SCのNW利用を提供

3;その他

 米国/EUなど多くの主要自動車市場では国内産業保護に向けて中国からのEV輸入に対する関税を引き上げ。米国では100%、EUではメーカーによるが最大41%の関税賦課としている
 一方で既存自動車OEMは関税をものともしないNYDの低価格EV攻勢に対して抗うことができていない状況。特にBYDのSeaGullは1万ドル以下で販売しており、従来ICE車でも太刀打ちできない価格感…(南米/欧州/東南アジアでもSeaGull(Dolphin-Mini)は2万ドル程度で提供されており、最も手頃なEVとなっている)

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