FordのEV計画が大型トラックへの投資集中で再び流動化
FordはEV生産を計画していたカナダの工場での生産計画を大型トラックに切り替えると発表しました。
将来的に電動大型トラックへのシフトを見据えての判断ですが、当初の新型/安価モデルEVの生産は一旦取りやめたことになります。
世界的に広がるEV需要低迷/HV回帰の流れの中でFordはより現実的な路線を歩んでいます。
1;Fordのトラック製造投資
7/16にFordは大型トラック;SuperDutyの生産を2026年からカナダ工場で拡大すると発表(@ Aspen Ideas Fes)。26年から加;オンタリオ州オークビルの組立工場でFシリーズ;SuperDuty-PUTを年間10万台の生産能力を追加すべく整備。当該工場は次世代EV向けに13.4億ドルをかけて改造する予定だったが撤回。当初予定の3列シートEVの計画も遅れることに
米国においてもSuperDutyの生産を拡張すべく3工場に30億ドルを投資する計画で、上記オークビル組立工場に組立と統合スタンピング作業にむけた設備導入で23億ドルを投資、こちらではMuiti-Energy-PF製造も含まれており将来的な電動化も見据える
ケンタッキー州(トラック工場と)オハイオ州(組立工場)でも設備拡張の予定で、Fordは本施策でカナダの雇用が1,800人増加するとしている
2;次世代EVへの取組
Farley氏は6月のメディアインタビューで小型EVを含めたマルチ車両での事業展開の推進についてコメント
-[我々はSuperDutyのようなモンスター車両に夢中で、私も大好きだが重量が大きな問題だ…]
-[小型EVに関してSkunkWorksチームはいい仕事をしたが、進むべき道は複数あり厳しい選択を迫られている]
結果として短期的には[小型EV<<トラック/PUT]となって、小型EVの今後は若干流動的に…。Farley氏は[次世代EVに関してはSkunkWorksチームと次のステップについて検討している]としている
3;その他
オークビル工場に関しては23/04に[次世代EV組立工場]に改造すべく13.4億ドルの投資計画を発表。当工場は1953年操業、当初予定ではFY24-2Qに[オークビルEV複合体]と改名されて近代化/拡張が行われるはずだった
Fordの戦略転換は足元利益の最大化を見据えたもので、恐らくトランプ政権発足も見据えているとみられる。ちなみに現状のSuperDutyはICE車で、主に商用顧客が利用するもので利益率が非常に高い
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